熟年離婚の危機管理(第1回)

離婚分割しても年金はすぐに受けられない!?

(Q3)離婚分割は市区町村の役所へ出す離婚届と一緒にできる ……×

 離婚届の提出先は、市役所などの戸籍課です。住所地もしくは本籍地で提出します。また、国民年金の届け出も市役所などの年金課です。そうなると、離婚の年金分割も市役所などでまとめてできそうな気がします。しかし、これも誤りです。

 年金分割の手続きは社会保険庁が行います。最寄りの社会保険事務所などがその窓口となります。多くは市役所などの近くにありますが、あまりなじみのない人が多いでしょうから、電話帳やホームページで確認してから行くといいでしょう。

 また、離婚分割に当たっては検討の材料となる情報が必要ですから、「加入していた期間」「保険料の納付状況(その期間の給与などの額)」「按分できる範囲」などを事前に情報入手する必要があります。これらは事前に情報提供を受けることができ、やはり社会保険事務所で手続きをすることになります。年金分割については「社会保険事務所」とのやりとりが必要になると覚えておきましょう。

(Q4)夫が60歳になってから離婚すれば、自分もすぐ年金が受けられる ……×

 夫が年金を受け始めました。退職金も振り込まれたようです。このタイミングで離婚すれば私も分割した年金を受けて一人暮らしができる‥‥。多くの人がそう誤解しているようです。残念ながらこれも間違いです。

 分割した年金を何歳から受けられるかはその人の年齢によります。夫は60歳になったので特別支給の老齢厚生年金を受け始めたとしても、妻が60歳に到達していなければ年金は受けられません。それどころか毎年16万円ほどの国民年金保険料を納めなければなりません(納めないとその分、年金額が下がります)。

 次に60歳になったからといっても、すぐ年金を受けられるとは限りません。60歳から厚生年金を受けられるのは会社員であった期間が1年以上ある人だけです。それ以外の人は原則として65歳まで待たなければなりません。何十年も前にOL期間があった場合も、当時脱退一時金を受け取った人が多く、これは厚生年金に加入していた期間にはカウントされません。

 「熟年離婚」の場合、妻は夫より年下であるケースが多いため、たとえ離婚を成立させ年金も分割しても、受けられるのは7~10年後、ということもあり得ます。その間、無収入では財産分与を受けた資産を取り崩していかなければなりません。離婚を考える場合には、この期間のことも頭に置いておくことが必要になるわけです。

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