特集:
耐震、火災 ― 直下地震対策はどこまで進んでいるのか
危機管理産業展2006
シンポジウム「首都直下地震を検証する」(2)
パネルディスカッション
パネリストはそれぞれ、企業や駅周辺の防災対策に取り組む三菱地所都市計画事業室副室長の水口雅晴氏、災害報道に力を入れてきた日本放送協会解説主幹の山崎登氏、そして島田氏の後を引き継いで東京都危機管理監に就任した中村晶晴氏。コーディネーターは首都大学東京大学院教授の中林一樹氏が務めた。
首都大学東京大学院教授 中林 一樹氏
東京駅周辺防災隣組事務局長・三菱地所都市計画事業室副室長 水口 雅晴氏
日本放送協会解説主幹 山崎 登氏
東京都危機管理監 中村 晶晴氏
2006年12月13日
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被害総額112兆円のスーパー都市災害

首都大学東京大学院教授 中林 一樹氏
中林
現在、首都地域を複数の地震が襲うことが懸念されています。住民の高齢化やインフラの老朽化という問題を抱えながら、マグニチュード7クラスの地震が30年以内に複数回発生する可能性は7割にも達します。
東京都や政府はこれに危機感を持ち、被害想定を行うなかで、発生箇所や震源など18タイプの地震を検討しましたが、なかでも東京湾北部地震の可能性が最も高いと考えられています。
被害想定は様々な条件を設定して割り出していますが、最も厳しい条件はマグニチュード7.3で、冬の夕方6時、風速15m。この条件で発生すれば、阪神・淡路大震災より被害は7~9倍の大きさになるでしょう。
中央防災会議による被害想定によれば、これらの条件下で、死者は1万1000人、負傷者は21万人、建物の全壊・火災焼失棟数は85万棟、帰宅困難者は首都圏で650万人となっています。
建物やインフラなどの物的な直接被害は約67兆円、生産額の低下など間接被害は45兆円、合わせて経済被害の総額は112兆円という巨額になります。これは「スーパー都市災害」とでもいうべき規模であり、甚大なる量と質の被害といえます。
本日のシンポジウムではこの巨大な地震被害をどのように軽減するかをテーマに、三つの論点でディスカッションを進めていきたいと思っております。
まず、第1に「地震動による直接被害(一次)の軽減」、すなわち、どのように建物被害を軽減すべきか。耐震補強と不燃化の問題です。
第2に「災害発生後の直接被害拡大(二次)の軽減」。徒歩帰宅者、帰宅困難者などどのように被害者の混乱を待避するべきか。
第3に「間接被害(関連死・損失)の軽減」です。1と2を量の被害とすれば、質の被害にどう備えるか。企業や行政の復旧復興について考えたいと思います。
それでは、まずパート1の「地震動による直接被害の軽減」から参りましょう。建物の耐震性の向上や、耐震補強はなぜ進まないのか。NHKで数々の災害現場を報道されてきた山崎さんから口火を切ってください。
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