首都直下地震、1100万人を超す外出者をどうする 危機管理産業展2006 シンポジウム「首都直下地震を検証する」(1) キーノートスピーチより

750万人が歩いて帰宅

 また、昼間に外出している人は都内で約1150万人。この人たちがどうやって家に帰ることができるかも問題だ。現在、20kmまでは歩いて帰ることができるとみなし、20km以上を帰宅困難者としているが、都内では392万人が帰宅困難となり、残りの752万人は歩いて帰ることになる。

 都内でもし、750万人を超える人が列を作ったら道路はどうなるだろうか。徒歩帰宅者問題をどのように解決するかも東京の大きなテーマである。

 連絡手段だが、多くの人はおそらく携帯電話で家族に連絡を取ろうとするだろう。千葉県北西部地震では、電話が通じず、メールは30分遅れでなんとか届いた。ただ、停電が起きたら、携帯電話の通話はもちろん、メールも使えるかどうか。

 震度6では、NTTや携帯電話会社の災害情報伝言ダイヤルや伝言メールが動き出すが、停電や建物倒壊、火災などが起きている状況のなかで、どれだけ使えるかが問題だ。使えれば落ち着いた行動がとれるが、使えないとなると混乱に拍車がかかる恐れがある。

 最後に付け加えると、都内には70万事業所が存在する。企業は組織上、統一された動きをとることができる。地震の際にはこの企業を、救援の貴重な戦力としてとらえることが大切だ。

 都市型災害の対策のポイントは、混乱を防ぎ、判断情報をどのように伝えるか、ハード/ソフトの両面から整備することが大切だ。地震対策はすべての危機管理の基本である。直下地震が起きないことを祈るが、備えは何より重要だろう。


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