首都直下地震、1100万人を超す外出者をどうする 危機管理産業展2006 シンポジウム「首都直下地震を検証する」(1) キーノートスピーチより

エレベーター閉じ込めも大量発生

 東京都では今年5月に「首都直下地震による東京の被害想定」を発表したが、マグニチュード7.3だけではなく、より発生頻度の高いマグニチュード6.9のケースも加えて被害を想定した。これは6クラスでも、大きな被害が出ると認識しているからである。

 千葉県北西部地震では火災は2件で、地震が原因かどうかは分からない。阪神・淡路大震災ではガスもれが多く、火災につながったが、東京ガスはそれを教訓に地震発生時にガスを遮断するマイコンメーターの設置を進め、それが作動したおかげで被害が少なかった。

 しかし、問題は垣間見えた。

 マイコンメーターは約5万件が作動したが、問題はガスの復旧方法が分からなかった家庭が多かったことだ。東京ガスへの電話が通じず、代わりに消防庁へ電話が殺到した。これでは東京で地震が発生した場合、けが人や病人が発生しても救急車が呼べないという事態も懸念される。

 エレベーターは都内に、分かっているだけで14万5000基あるが、その中で4万基が停止した。震度4クラスでは、揺れを感知すると通常、近くの階に自動停止するが、扉が開くなどの異常を感知するとその場で停止し、閉じ込めが発生する。これが42件起こった。

 このケースを元にマグニチュード6.9の地震が東京を襲った場合の被害を想定すると、エレベーター7500基で閉じ込めが発生。7.3では、9200基で発生することになる。

 首都圏のエレベーター保守会社の職員は約2000人しかいないので、これだけの閉じ込めが発生した場合、どのように対応できるのか大きな課題である。保守会社を待つのではなく、地域やマンション単位で救出することを考えないといけない。

東京都産業労働局長 島田健一氏

 また、停電は222件発生したが、東京で地震が起きた場合はさらに大規模になる。今年8月に起きた送電線の切断事故による大停電では首都圏140万件、都内97万件、都内の15%が停電した。クレーン船は誤って東側の江戸川にかかる電線を切ったが、西側から電気をバックアップして復旧することができた。

 もし、東西両側で切れたら、大変なことになるだろう。テロの危険も含めて、停電対策を見直す必要がある。

 交通機関は、千葉県北西部地震において鉄道が7~8時間停止し、首都圏で140万人の足が混乱したと報道された。駅でも混乱があったが、東京直下地震の被害想定では、東京や渋谷駅でそれぞれ20万人近くが集まると考えられる。東京ドームの収容人員が5万人だから、その4倍が駅や周辺に集中するという大混乱になる。

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