特集:
不具合を転機に(第3回)
事例2:パロマ工業のガス瞬間湯沸かし器
改造を許す構造自体が欠陥
文/山田剛良、浅川直輝(日経エレクトロニクス)
2006年10月30日
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経済産業省は,パロマ工業に対して消費生活用製品安全法第82条に基づく緊急命令を2006年8月28日に発動した参考文献(1)。同社が1980年から1987年にかけて合計26万台製造した半密閉式*ガス瞬間湯沸かし器7機種について,安全性の欠陥があるとして,製品の点検・回収を求めたものである注1)。
*半密閉式=屋内の空気を利用して燃焼し,燃焼ガスを専用の排気筒から屋外に排出する燃焼器具の形式。このうち,自然通気力で排気するものをCF(conventional flue)式,ファンなどの動力で排気する方式をFE(forced exhaust)式と呼ぶ。注1)このほか,危険性を消費者に周知徹底したり,製品回収作業の進捗状況を今後1年間,経産省に報告したりする義務を負う。
7機種が1985年から2005年にかけて合計28件のCO中毒事故を起こした責任を問われた注2)。
注2)事故による死者は21人,重軽傷者も含めた被害者数は合計60人に及ぶ。28件のうち13件が死亡事故。この問題が経産省によって公表されたのは2006年7月14日。これを受けたパロマ工業は当初,「事故は安全装置を無効にする不正な改造によるもので当社の責任ではない。製品自体に欠陥はない」と自信を見せていた。だが4日後の7月18日には態度を一変させ,「製品に欠陥はないが,メーカーとしての責任がある」という理由で,7製品を無料で同社の新製品と交換する製品回収を自主的に始めた。
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