台風は大型化している(後編)
一度起きた水害はまた起きる
例として、次の図で2000年9月の東海豪雨時の天気図を概略化してみた。

図版02: 東海豪雨の大雨パターン 『台風学入門』村山貢司著より
台風の東側に湿った温かい空気が流れ込み、一方、太平洋高気圧の縁を回り込む形で東側に湿った風が北上。加えて日本北部から関東まで太平洋高気圧が張り出し、高気圧と台風の勢力はそれぞれが押し合って譲らず、東海地方に秋雨前線が滞留し、長時間の大雨をもたらした。
昨年9月の台風19号に刺激された東京都西部の集中豪雨も、秋雨前線の例だという。また、8月22日には大阪府高槻市でも時間降雨量100mmを超える豪雨に見舞われた。台風に刺激されて活発化した前線が、各地で大雨の記録を塗り替える。
「昔は記録的な大雨といえば、地方の山の中で起きていたものですが、今は東京や大阪という大都市圏で豪雨の危険性が高くなっています」と村山氏は続ける。
都市の排水能力は1時間あたり50mmが限界で、台風や豪雨でこれを超える雨量に見舞われたとき、浸水に備えて避難経路と避難場所を意識しなければならない。だが、大都市圏で、この身近な恐怖に備えている人はまだ少ないのが現状だろう。そこで村山氏が警告するのは次の2点である。
(1) 自分の住まいや職場近辺のハザードマップを把握する
(2) 一度水害が起きたところはまた起きる
「一度水が出たところは、必ずまた水が出ます」と、村山氏は強く繰り返す。土地が低く水が流れ込みやすいといった地形はなかなか変えられるものではなく、再度の被害に遭いやすいという。
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