特集:
台風は大型化している(後編)
取材・文/上本洋子
2006年9月19日
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長雨になりやすい秋雨前線
9月11日未明、激しい雷雨が関東南部を襲った。耳をつんざく雷鳴と稲光、続いて土砂降りの雨。これに驚き、明け方に飛び起きた人も少なくないだろう。西東京市では時間降雨量85mmを超え、床上浸水被害は3件。このとき落雷で東京、神奈川、埼玉の合計1万4000世帯が停電している。
これは「秋雨前線」の仕業である。関東地方に南部から温かい湿った空気が入り込むと同時に、前線が南下し、温かい空気と冷たい空気が重なって大気の状態が乱れ、激しい雷雨を巻き起こした。
台風の追い討ちがなくてよかったものの、とかく9月は天候が乱れやすい。過去の平均では台風の発生数・上陸数が最も多いのは8月だが、実は近年、日本に接近する台風も、上陸する台風も8月は減少傾向にある。
気象業務支援センター情報開発業務担当専任主任技師の村山貢司氏が著した『台風学入門』(山と渓谷社)によれば、9月は8月に次いで台風が多いが、このところ日本への接近数、上陸数は8月とは逆に増加している。というのも夏の太平洋高気圧が9月になっても日本を覆うことが多く、台風が高気圧の周辺を回って北上、日本に上陸するからだ。
9月に発生する台風の進路はマリアナ近海で発生した後、北西へ進み、沖縄の東で進路を北に変え、四国でさらに北東へカーブを描く。ところが、最近10年は、台風の進路が二つに分かれている。一つは沖縄の南から進路を北に変え、九州に上陸後、日本海を北東に進んで、北海道に再上陸するケース。「リンゴ台風」と呼ばれた91年の台風19号も同じ進路だった。
もう一つのケースは、それより北寄りに発生し、小笠原諸島近海を通過後、北に進路を変え、その一部は紀伊半島から東海、伊豆半島、関東にかけ上陸する。

図版01: 9月の台風の進路 『台風学入門』村山貢司著より)
村山氏は秋の長雨の現象を次のように解説する。
「最近は台風本体で降る雨のほかに、台風周辺で非常に激しい雨が降るケースが増えています。特に注意しなくてはならないのは、梅雨前線と秋雨前線のころ。台風や前線から離れていても、周囲に入り込んだ湿った空気が重なる影響で、激しい雨が降るのです」
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