特集:
「危ない部下」への対処法(後編)



景気回復で人材採用は売り手市場。思うようには採用できない。とすれば、「今いる社員」を活性化することが業績を伸ばすカギだ。にもかかわらず仕事の現場で時として「危ない部下」がキバをむき、対応に苦慮するケースが少なくない。
経営者は「危ない部下」をどう見分けたらよいのか。またいったんトラブルを抱えた社員を立ち直らせ、戦力化するにはどうしたらよいのか。さらに「危ない部下」を作らないためにはどうしたらよいのか。
社員を三つのタイプに分けて、対処法を考察する。

取材・文/中沢康彦(日経ベンチャー)
イラスト/日の友太
2006年9月28日

前編はこちら >>



 企業は仕事のできる有能な社員に業務を任せ、大きな裁量を与える。だが、それが行き過ぎると、チェック機能が働かなくなることがある。例えば、「期末で営業成績が目標に達していない時、いつも頼りになる社員がいた。信頼して権限を大きくしていたら、いつの間にか、利益を大幅に削った受注を繰り返して、数字を作っていた」「会社の資産運用を任された社員がミスで損失を出した後、上司に隠れて穴埋めしようと無理な取り引きを繰り返すがうまくいかず、結局、会社に大きな損害を与えてしまう」などのケースがある。

 「何をしても会社は分からない」――そう思った時、「我が社のエース」だった社員が暴走を始める。

 組織の危機管理などが専門の警察大学校警察政策研究センターの樋口晴彦主任教授は「こうしたケースでは、任せている責任が大きい分だけ、会社に与える損害も大きい」と警告する。

樋口晴彦 警察大学校主任教授
著書に『組織行動の「まずい!!」学』

 ただし、仕事のできる社員の裁量を限定し過ぎると、せっかく能力があるにもかかわらず、力を発揮できない。社員にどれだけの裁量を与えるかは、経営者にとって悩ましい課題だ。







SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。