地下浸水の危険に備えよ!
浸水避難は降り始めから30分が勝負
そこで、国、東京都が護岸工事以外に、現在進めているハード、およびソフト対策を挙げると「地下調整池の造成」「浸水予想区域図」とそれに基づいた「ハザードマップの作成」がある。
地下調整池は都内の環状7号線の真下に、延長4.5キロ、内径12.5メートルの帯状の貯水池が作られており、昨年の集中豪雨の際は、第2期工事部分が完成間際だったが緊急事態ととらえ、重機が内部に残されているにもかかわらず急遽取水させた。
今後も50ミリ対応の護岸工事ができない河川の代替措置として、このような地下貯水池を作っていくという。なお氾濫が起きた妙正寺川、善福寺川近辺は昨年度から5年にわたり「激甚災害対策特別緊急事業」(激特事業)として集中的な対策が急がれている。
被害予測を想定し、浸水予想区域や避難場所を明示したハザードマップの作成も進められている。国土交通省の荒川下流河川事務所が作成した荒川浸水想定区域図では、想定破堤地点10カ所の決壊後1時間~最大96時間後までの浸水状況を予測した「はん濫シミュレーション」図を作成している。
東京都では2000年の東海豪雨の降り始めから終わりの雨量を神田川水系のデータに当てはめシミュレートし、「神田川水系浸水予想区域図」を公開した。
これを元に各区がハザードマップを作り、避難場所、避難経路、危険区域や水源などを明示している。23区内では渋谷区などが未作成で足並みがそろっていないのは気にかかるところだが、公開されている区部に、自宅や職場がある人は、避難所の場所などあらかじめ把握しておきたいところだ。東京都が「洪水ハザードマップ公表状況」を発表しているので、ご覧いただきたい。
なお、荒川沿いの各区も荒川浸水想定区域図をもとに荒川ハザードマップを作成。近辺に住居や職場がある人は必見だろう。

東京都建設局河川部計画課 課長 大坪安則氏
「いずれにせよ豪雨の降り始めから30分が勝負です。多摩川、荒川の場合上流から押し寄せると下流では1時間以上たってから洪水被害が起きますが、中小河川の氾濫はそれより短時間です。しかし、地震に比べればまだ避難のための時間があります」と大坪課長は警告する。
浸水までの30分の間に、区の避難場所やマンション、ビルの高層階へどう退避するかなど、日ごろから頭に入れておくべきだろう。
そして昨今注目されるのは、ヒートアイランド現象が集中豪雨をもたらしているのではないか、という問題だ。
「ヒートアイランドと集中豪雨の因果関係は、まだ明確ではありません。しかし、最近の集中豪雨の多発によって、都民のみなさんから対策と予測への強い要望があります」と大坪課長は語る。
東京都(河川局・下水道局・都市整備局)と学識経験者で構成される「豪雨対策検討委員会」では集中豪雨と都市型水害のメカニズムと対応策に取り組んでいる。
そのほか専門家の研究等から、集中豪雨が頻発し都市型水害が起きやすいエリアは、1.豊島園近辺(昨年9月の集中豪雨地帯)2.目黒川区部および渋谷川・古川とほぼ特定。この地域は差別化して特別対策を図ることが検討されている。近辺に住む人、また働く人はこのことは肝に銘じておいたほうがよさそうだ。
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