特集:
地下浸水の危険に備えよ!
~集中豪雨による都市型水害の恐さを知る~
取材・文/上本洋子
2006年8月31日
都心でも死亡事故につながる氾濫が起きた
アスファルトとコンクリートに囲まれ、地下にはアリの巣のように交通網や地下街などの都市機能が発達する首都圏。公園以外は、土の地面はなかなか見当たらないのが実情だ。
豪雨が降れば、地面にしみ込まない水は、低地へと流れて下水溝や河川に吸い込まれるが、下水や川が排水処理しきれないほどの雨量を抱え込んだ場合は、水があふれ出し、街は浸水してしまう。集中豪雨や台風に伴う、このような「内水氾濫」は、ここ数年の間に多発している。
(1)1999年7月 新宿区のビル地下室水没により、男性1名が扉への水圧で外部に逃げられなくなり、水死した。都心では1時間に130ミリを超える集中豪雨による災害だった。この年は全国43カ所でビル地下室の浸水事故があり、博多駅前のビルでも飲食店の女性従業員が命を落とした。
(2)2004年10月 台風22号の接近により、都心部に1時間あたり69ミリの激しい雨が降り、都内各地が冠水。麻生十番駅では構内地下3階ホームにまで水が押し寄せた。被害者は幸いいなかったが、地下鉄は2時間弱ストップ。横浜駅でも近くの新田間川、幸川が氾濫し、歓楽街や地下街が浸水した。
(3)2005年9月 台風14号の影響により、豪雨をもたらす積乱雲が発生。9時から22時まで板橋区・練馬区・中野区・杉並区を南北に串刺しするように、だ円形のスポットに積乱雲が次々と集中、激しい雨に襲われた。当該区域にある神田川・妙正寺川・善福寺川など神田川水系の中小河川が氾濫。このとき杉並区下井草の最大降水雨量は1時間当たり114ミリと、東京都での観測史上最大を記録した。床上・床下浸水は約2000棟。死亡事故がなかったのは不幸中の幸いだった。
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