連載企画「水害の世紀」(2) 水害から逃れるカギは「自助」にあり!

【PART3】
水害と闘ってきた先人の知恵に学ぶ

 かつて人々は、繰り返し発生する水害に知恵や工夫をこらし、被害の減少に努めてきた。それは、水害の発生はゼロにならないと、考えていたからだ。この認識は今も有効で、危機管理のうえで重要であることに変わりはない。水害の脅威に対して、過去から何を学び、どのように備えればよいか。

水との闘いで磨かれてきた知恵

 かつて人々は、地域の特性を生かした様々な知恵を働かせ、被害を最小限にする努力を続けてきた。水害の多発地帯では、今も水害との闘いで生み出された水防の知恵を随所に発見できる。

 以下に代表事例を挙げておこう。まずは水害防備林。水害防備林とは、川や堤防に沿って、松や竹などの樹木を植えてつくった林。洪水のエネルギーを弱め、堤防が決壊しても、ゆるやかに氾濫させる効果がある。川沿いに樹木があることで、付近に土砂をたい積しやすく、堤防ができやすいという面もある。

茨城県久慈川の両岸に茂る水害防備林(写真:国土交通省)

日経コンストラクション編『水害の世紀』(日経BP社発行、定価2000円)

 水屋は、洪水多発地帯の旧家に多く見られる。周囲に石垣を張り巡らし、さらに、敷地内の一部を土で盛り上げて、水害の発生時に家人や近所の人々の避難所として利用する。

 揚げ舟は、洪水時に人や物資を輸送する方法として、また、近隣への連絡手段として用意した小舟。納屋や倉庫の軒下、母屋の土間、天井などに吊るすことが多い。吊り舟とも呼ばれている。

 これまで、自分の身は自分で守る「自助」の考え方をみてきた。詳細は書籍『水害の世紀』の5章「被災者にならない」を参照されたい。次回は、豪雨に見舞われたときに、どのように情報収集し、避難行動に移ればよいかを解説しよう。

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