連載企画「水害の世紀」(2) 水害から逃れるカギは「自助」にあり!

【PART2】
住まい選びでは場所を重視する

 水害から身を守る直接的な手段は、まず、水害が起こりそうな場所に住まないこと。住まい選びでは、景観や利便性だけではなく、水害の危険性も重要なファクター。古い地名や昔の地図から、その土地の歴史を知ることは危険性を読み取る手がかりになることもある。

地名は土地の水害史を伝える履歴書

2004年8月に台風11号の被害を受けた三重県紀宝町の住宅。浸水した相野谷川は輪中堤を建設中だった。集落や耕地を洪水から守るため、周囲に堤防をめぐらしたのが輪中堤 (写真:国土交通省)

 地名には、その土地の歴史や特徴を現在に伝えるメッセージが含まれている。例えば、「深」の文字が含まれていれば、周囲より土地が低い可能性があり、「沢」の文字では、水のたまりやすい土地の可能性がある。

 治水事業によって危険性が減少していることもあるので、一概に危険とは言えないが、災害に結びつきやすい土地だったことはわかる。宅地開発などによって地名が変わっている場合もあるが、地域の図書館などでは、昔の地名を確認することができる。

昔の地図を広げて水の流れを読む

 「昔の地図を見て、どこに川が流れていたか、農地はどこにあったかなどをチェックすれば、災害に弱い場所がわかる」と富士常葉大学の小村隆史助教授は語る。

 私たちの祖先は、水の被害を受けてもよい土地と、守らなければいけない土地を使い分けていた。例えば、かつて水田だった場所は現在でも水につかる可能性が高い。一方、先祖を祭る神社や仏閣は、水害を受けにくい場所に建てられていることが多い。

浸水被害を受けやすい場所を知る

2004年10月の台風23号による豪雨で、土砂災害が兵庫県南淡町(なんだんちょう)で発生し、崩れた土砂が道路を覆った(写真:国土交通省)

 河川の流域のほか、以前は河川敷だった土地は、豪雨で浸水する危険性が高い。さらに,河川が運んできた土砂が河口付近にたい積してできた三角州や、繰り返し発生した川の氾濫で土砂がたい積してできた氾濫原などの沖積地は、冠水しやすい。

 一方,土砂災害の被害を受けやすい場所は次のような場所だ。まずは丘陵を切り崩した造成地。地質や地形が不安定で,豪雨で地盤がゆるむと、崩れる可能性がある。山のふもとの扇状地も,山間部に降った集中豪雨で土石流が発生すると、直撃を受ける恐れがある。山岳地帯の急傾斜地も、大雨でがけ崩れを起こす可能性がある。樹木の少ない山間部では土石流の可能性もある。

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