「しかる親」は子どもを傷付けている(1)

端っこを持ってもハンカチは持ち上がる

 頑張って、いい大学を出て、いい企業に入り、それなりの地位を得ている親ほど「できないことを許せない」人が多い。頑張ればできるはずだ、できないのはたるんでいるからだと思う。だから、ダメな子どもになる前に矯正してやろうと考える。

 だが、いくら言ってもできない子に、何度強制しても「できるようにならない」と親野さんは教師経験から断言する。では、どうすればいいのか。

 「目をつぶればいいのです。別にそれができなくても大したことではない。一度冷静になると、大人が躍起なっていることのほとんどは大したことではないと気付きます。大人が子どもに向かうとき、目をつぶる勇気が必要になる場合が必ずあります。そして、短所に目をつぶる代わりに、長所を伸ばすのです」。

 伸ばすには何より「ほめることだ」と親野さんは言う。

 「人は誰でもほめられるとうれしいものです。ほめられるとやる気が出てきます。ところが、日常的に子どもをほめ続けている親はほとんどいません。わたしは子どもたちとのおしゃべりのなかで、『このごろ、家の人にほめられたことがある?』と聞くと、ほとんどが『ない』と答え、なかには『一度もない』、その代わり『怒られたことならあるよ』と言います」。

 「では、どのようにしたら親が子どもをほめられるようになるかといえば、まず自分自身がプラス思考になる。そして、子どもの短所に目をつぶって長所を伸ばす決意をすることです」。

 親野さんは子どもを伸ばすことと、ハンカチを持ち上げることは似ているという。ハンカチは真ん中でなくて、どんな端っこを持ち上げても上がる。持ちやすいところを持って、上げればいいのだ。人間も同じで、得意なこと、好きなことから持ち上げればいい。全体が上がると、小さな短所は気にならなくなるものだ。

 次回では「どうしてもしかることがやめられない」という人に「しからなくて済むシステム」づくりや、夏休みの子どもとの過ごし方などをお伝えしよう。

<参考サイト> ●親野さんのホームページ 「親力

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