特集:
【本当にあった怖い話】信頼は一瞬にして崩れる(第3回)
取材・文/宇賀神 宰司、小野 田鶴(日経ベンチャー)、松田 勇治(フリーランスライター)
2006年6月13日
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「ネットでモノ申す」の恐怖
ささいなことで非難集中

写真/中田裕史
「ネット世間」。そこで流布した風評が発端となって、深刻なイメージダウンへと発展していく例が後を経たない。
典型例が社長ブログでの失言。ブログとは「Weblog」の略。インターネット上で、日々の印象に残った筆者のコメントを記録(Log)していくインターネット上の日記だ。ホームページとの違いは、サイトの構築や更新が容易なこと。個人でも手軽に情報発信ができる。
企業のイメージアップにつなげようと、ブログを始める社長が増えてきた。だが、そこに記載した内容がネット上で物議をかもし、ブログ上のコメント欄や、ブログ間のリンク機能「トラックバック」で批判が集中する、通称「炎上」状態に至るケースが多発している。ここでは「ブログ炎上」によって危機に直面した三つの具体例を紹介する。
渡辺淳一ファンを表明して炎上

女性用下着メーカー、トリンプ・インターナショナル・ジャパンの吉越浩一郎社長。2005年8月下旬、「革命社長日記」で、渡辺淳一氏が日本経済新聞に連載していた官能的な恋愛小説『愛の流刑地』を愛読していることを記述してしまった。さらに「自社製品を渡辺さんに贈ったところ、参考になりましたと、お礼状をいただいた」という内容のコメントが女性たちの不評を買い、不買運動さえおきかねない事態に陥った。
吉越氏はその後、ブログで反省と謝意を表するが、その内容が言い訳がましく読めてしまったこと、トリンプのホームページから社長ブログへのリンクが消去されたことでさらに批判が集中する。結局、数日後「革命社長日記」は閉鎖に追い込まれてしまう。
同社製品のユーザーに与えた影響も大きかったようだ。2005年に同社の製品を購入した女性100名を対象にインターネットでアンケート調査したところ、事件を知っていた7人のうち6人が「トリンプのイメージが悪くなった」とし、さらに4人が「今後は同社製品を購入したくない」と答えた。「個人の趣味は自由だが女性向けの製品を扱っている立場上、もっと慎重に発言すべきだったのでは」などの意見があった。
堀江貴文社長を擁護するともとれる発言で炎上

奇しくも同じく女性用下着などを販売するピーチ・ジョンの野口美佳社長。Webマガジン「ハニカム」中に設けられたブログの2006年1月17日分で、ライブドアに家宅捜索が入った当日(16日)に交わした、堀江貴文社長(当時)との電話でのやり取りを書き込んだ。さらに「わたしは、彼を信じる友人のひとりです」とも記載。これにスポーツ新聞などが飛びつき、堀江社長との交際関係をからめながら大々的に報じた。その後「犯罪者に同情するとは」「堀江社長を利用した売名行為か」といった非難が殺到したという。
野口社長は19日付けブログで、報道に対する困惑を記すとともに17日分より前のブログを削除、30日付けでは自らのブログに対するスタンスを「出会った素敵な人たち、楽しい日々を綴っていた」と表明する。それがまた、新たな批判の的になってしまったのだ。
ブログはマスコミ関係者にとって、かっこうのネタ集め道具でもある。内容とタイミングを間違えると、たちまち餌食にされてしまう危険性がある。
■社長のふとしたコメントから炎上へ…
「新入社員」と題したコメントが、社長自身が書き込んだ内容。
これに対し、閲覧者が各記事への「コメント」を寄せる
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