THE・Winnyパニック


流出パニックは国内だけ

 今やパソコン初心者でも名前だけは知っているWinnyだが、実体をよく知らない人もいるかと思う。簡単に説明しよう。

P2P型のファイル共有ソフト「Winny」

図1 「Winny」はP2P型のファイル共有ソフトの一種だ。ファイル共有に専用サーバーを使わない。Winnyユーザーの間で、自分の好きなファイルを検索し、ダウンロードして利用できる

 Winnyはインターネットを通じてファイルをパソコンユーザーの間で共有するソフトだ(図1)。Winnyを入れた個々のパソコンがサーバー(ファイルをネットワークに公開する側)とクライアント(ダウンロードする側)の両方として機能する。ホームページのような専用サーバーは不要だ。対等な立場のパソコン(peer=ピア)同士でやり取りするため、ピアツーピア型のファイル共有ソフト(P2Pソフト)といわれる(図2)。

パソコン同士がファイルを直接やり取りする

図2 Webサイトなど、クライアント/サーバー型のファイル共有はサーバーがファイルを一元的に管理し、そのファイルをパソコンが利用する1対n型のシステムだった。一方のP2Pソフトでは、パソコン同士が1対1でファイルを共有するシステムである

 Winnyは元東京大学大学院の助手だった金子勇氏が開発した純国産のソフトで、インターネットからダウンロードして無償で利用できる。2002 年5月に最初のバージョンが、2 0 0 3 年5 月には機能刷新版である「Winny2」が公開された。純国産ソフトゆえWinnyユーザーの大半は国内にいる。一連の情報流出パニックも日本固有の社会現象である。

自分は潔白でも家族や同僚に要注意

 Winnyを自分でインストールして利用した覚えがなくてもAntinnyに感染し、パソコンから情報が流出する危険性はある。家族と共有しているパソコンでは、自分以外の家族がWinnyを使っている可能性があるからだ。実際、情報流出している事件の一部には、「子供がWinnyを利用して、親の情報が流出してしまったケースもどうやら見受けられる」(ラックコンピュータセキュリティ研究所岩井博樹氏)。

 同じことは企業の情報システム担当者にも言える。利用している社員はいないと思い込んでいても、「依頼されて企業内をチェックすると、必ず1台はWinnyパソコンが出る」(あるパソコン資産管理ソフトメーカー)。企業の機密情報を扱っている社員のパソコンがAntinnyに感染し、情報が流出したら…企業生命にかかわる事態になりかねない。*


*日経パソコン2006年4月24日号 155ページ「焦点Winnyで一生を棒に振りますか」参照

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