特集:
「地域力」が子どもを救う
防犯意識は、子どもと共に楽しんで高めよう!

 待ちに待った夏休みの到来。子どもたちが大喜びの一方で、親は多くの悩みを抱える季節だ。開放的になった子どもの行動範囲が格段に広がるこの時期、子どもを守るための親の不安は絶えることがない。特に最近では凶悪犯罪に子どもが巻き込まれる事件が多数報じられたこともあり、各所で様々な対策が講じられている。今回の特集では「子どもの防犯」について検証する。

文/林愛子、写真/藤井誠
2005年7月22日

年々凶悪化する子どもが被害者になる事件

子どもの危険回避研究所の所長である横矢真理氏。「危険回避」に関する講演や執筆活動を精力的に行っている

 大阪の池田小学校児童殺傷事件、東京の小6女児4人監禁事件、長崎の男児誘拐殺人事件、佐世保の小6女児殺害事件、奈良の小1女児誘拐殺害事件……いずれも、幼い子どもが巻き込まれた衝撃的な事件として、記憶している方も多いだろう。

 こうしたニュースが大きくテレビや新聞、雑誌などで取り上げられているのを見ると、この数年で子どもが被害者になる事件が急増しているような印象を受ける。しかし、実は事件の発生件数に大きな変動はない。

 昨今、子どもを持つ親の不安を特にかき立てているのは、事件の件数ではなく「凶悪な事件や防ぎようのない事件が目立つようになってきたこと」と、子どもの危険回避研究所の所長である横矢真理氏は語る。

 とりわけ、身代金ではなく性的ないたずらを目的にした略取や誘拐が目に付く。警察庁の統計によれば、略取や誘拐の被害者の約4割が6~12歳児、発生時間帯の約5割が15~18時、さらに4件に1件は自宅から100メートル未満のエリア内で発生と、下校途中ないし下校後に近所で遊ぶ小学生を狙ったケースが圧倒的に多い。

図1 略取・誘拐の被害者の年齢別認知件数の(総数284件・2003年)

図2 時間帯別発生の状況(略取誘拐事案126件を分析)
0~ 6~ 9~ 12~ 15~ 18~ 21~ 合計
未就学が被害に遭った事案 1 1 7 8 9 9 1 24
小・中学生が被害に遭った事案 3 11 5 14 54 9 3 99
その他高校生などが被害に遭った事案 0 0 0 0 1 1 1 3
4 12 12 22 58 13 5 126

(注)複数人被害事案で、未就学と小学生が含まれる事案及び中学生とアルバイトが含まれる事案は、「小・中学生が被害に遭った事案」に計上した。
(警察庁「子どもを対象とする略取誘拐事案の発生状況の概要」より)

 屋外に限らず、家の中でも凶悪犯罪に巻き込まれる危険性は潜んでいる。例えば、昔は空き巣に入ったところを子どもに見つかったらあわてて逃げただろうが、最近では口封じのために、ためらわず子どもに手を掛け、強盗殺人事件へと発展するケースも珍しくない。

 子どもを持つ親、もしくは地域社会に暮らす大人として、私たちはこうした問題にどう取り組んでいけばよいのだろうか。

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