特集:
防災の新常識(前編)
地震大国ニッポン、ここまでやれば大丈夫

文/浅山 真、荻島 央江(日経マスターズ)、写真/菊池一郎
2006年2月8日

鯰が暴れると地震が起きるという俗信は江戸時代に広まった。それを風刺したのが鯰絵。幕末の「安政江戸地震」直後に流行した
『鯰絵江戸鯰と信州鯰』(東京大学地震研究所所蔵資料)

 古来より、幾たびもの震災に見舞われてきた日本。活断層が縦横に走る地震大国であるがゆえ、いつどこで大地震が起きてもおかしくはない。

 とはいえ、地震への備えが重要なことは理解しているが、何から手を付ければいいのか分からない」という人も多いだろう。地震対策を考える上で最も大切なのは、とにかく自分の命を守ることである。

 阪神・淡路大震災では、水や食糧の不足が原因で亡くなった人は1人もいない。死亡原因の八割以上は、家屋の倒壊や家具、電化製品の転倒などによる圧死や窒息死なのである。こうした事実からも、何より取り組むべきは家屋・室内の耐震性を高めることであることが分かる。

 しかし、残念ながら家を“強くする”ことの大切さが実は多くの人に理解されていない。地震対策に関する読者アンケートでも、「地震に対してどのような備えをしていますか」という問いに対し、「懐中電灯などの防災グッズを用意している」(32.1%)、「保存食や水を備蓄している」(21.4%)と答えた人が、「家具に転倒防止器具を取り付けている」(15.5%)、「耐震・免震工法の住宅に住んでいる」(8.3%)を大きく上回った。

今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を上記の色で分類して地図上に表している。26%以上の濃い赤色の場所で、約100年に1回の確率だ
出典/地震調査研究推進本部「全国を概観した地震動予測地図」

 そこで今回の特集では、重要度、緊急度の高い、より実践的な地震対策を紹介する。後半生は自宅で過ごす時間が増えるだけに防災対策は不可欠。「自分や家族の命、財産は自分で守る」という強い意識を持つことが大切なのだ。

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