Sony BMGコピー防止機能付き音楽CDが招いた大問題
日本でも一部を除いてCCCDがなくなる
主流になったCCCDに対する消費者の不満感
米国とは対照的に、日本や欧州ではCCCDのタイトル(コピー防止技術としては、ほとんどがMIDBARのCDS-200を採用)が次第に増えていった。日本で初めてCCCDが登場したのは、2002年3月のこと。エイベックスがCDSを採用したCCCDを市場投入し、東芝EMIやソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)、ビクターエンタテインメントなどがこれに続いた。
しかし、CDSを採用したCCCDは、パソコンではない通常の音楽CDプレーヤーで音飛びしたり、再生できないという不具合が頻発。しかも、コピー防止効果はほとんどない(市場に出ているパソコンのCDドライブのうち、3割程度しかリッピングを防止することができなかった)というお粗末ぶりで、結果的に消費者から大きな反感を買うこととなる。
2004年秋には、CCCDを積極的にリリースしていたエイベックスとSMEがCCCDの発売を中止(なお、エイベックスは現在でも一部の商品をCCCDでリリースしている。国内で継続的にCCCDをリリースしているのは東芝EMIだけである)。これによって日本でCCCDが問題視されることはほとんどなくなった。
一方、米国でも、2004年夏、CCCDを巡る状況に変化が訪れる。
今回の集団訴訟で返品対象となったMediaMax 3.0を採用したCCCDのアルバムが、全米チャート1位を獲得したのだ。MediaMax 3.0は、あらかじめCCCD内にWindows Media Audio(WMA)対応音楽プレーヤーに転送可能な楽曲データが入っていた。コピーを防止しつつ、携帯デジタル音楽プレーヤーへのフォローも行うという「第3世代のCCCD」がここで登場することとなった。実はXCPも、こうした流れで登場した第3世代のCCCDである(XCPは英国のFirst 4 Internet社が開発した技術だ)。
CDSの開発メーカーであるMacroVisionは、現在、第3世代であるCDS-300のCCCDをEMIとタッグを組んで継続的にリリースしている。EMIはMicrosoftと提携して、Windows XPの次期OS「Windows Vista」に強力なコピー防止機能を内蔵させることを表明しており、レコード会社の中でもっとも強硬にCCCDを推し進めている。
今回のrootkit騒ぎでCDS-300がやり玉に挙がることはなかったが、CCCDそのものに対して消費者が強い不満感を持ったことは間違いない。EMIとMacroVisionがいつまでCDS-300を継続させるのか(また、CDS-300の内部に「火種」がないのか)注目されよう。
いずれにせよ、レコード会社は常に「音楽CDのデジタルコピーは何とかしなければ!」と思っているのだ。パソコンに対する、いわば“積年の恨み”かもしれないが、これはある種、偏執的と言えるのではないだろうか。今回のことで大きな痛手を負ったソニー自体も、まだCCCDを完全にあきらめたわけではないと思われる。他ならぬストリンガー氏が、CESの基調講演で消費者のニーズとアーティストの権利の間でうまくバランスを取っていかなければならないという発言をしているからだ。
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