特集:
熱中症-早めの対処が死に至る危険を防ぐ
室内・屋外問わず暑い夏を安心して過ごす対策法とは
すでに熱中症被害が多数報告され、今年も猛暑が予想される中、「暑さ」から身を守るために、我々はどのようなことをすべきか。熱中症のメカニズムや身体への負担・影響を「生気象学」の立場から研究している順天堂大学医学部の稲葉裕教授に、暑熱環境での対処法を聞いた。
文/あきもとキンぢ、写真/小林嘉樹
2005年7月8日
“着る”ことで涼しく快適に過ごす「空調服」
地球温暖化防止対策のひとつとして政府が提唱する夏の軽装運動「クール・ビズ」。皆さんもご存じの通り、オフィスのエアコン温度を28℃に設定して温室効果ガスを削減すると共に、オフィス内で快適に仕事をするためにノーネクタイ・ノー上着で過ごそうというものだ。
運動がスタートして1カ月あまりが経過。奨励する企業は増えつつあるが、ノーネクタイ・ノー上着スタイルでは顧客や取引先に失礼だという声も根強く、ビジネスシーンに実際に浸透していくにはまだまだ時間がかかりそうだ。

空調服 業務部部長 市ヶ谷透氏
nikkeibp.jpライフスタイル(日経BP社)が行った「ライフスタイルアンケート:即門即答! あまたもクール・ビズいかがですか?」(2005年6月15日付)でも、4人にひとりが「職場でクール・ビズが実施されている」と答える一方で、全体の約4割が「実施していない」と回答。加えて約2割の人が「実施する必要がない」と答えている。1979年の第二次オイルショック時に大平内閣が提唱したものの、ほとんど定着することがなかった感のある「省エネルック」の二の舞と冷めた意見も聞こえてくる。
そんな中、夏場のオフィスや家庭でのエアコン使用がもたらすエネルギー問題を、別の切り口から解決し得る「服」が今注目を浴びている。その名も「空調服」。
背中に装着された2つのファンを小型モーターで回転させて服の内側に風を送り、汗を気化させることで身体を冷やすという作業服だ。昨年夏の登場以来、数多くのメディアでも取り上げられているため、ご存知の方も多いだろう。

エアコンを使わずに空調服を着て業務にあたる空調服の社員
「クール・ビズは服を“脱ぐ”ことで暑さを軽減するわけですが、ウチの場合は“着る”ことで涼しく快適に過ごすことができます。発想としては、全く逆なんです」──こう語るのは「空調服」の製造・販売を行う株式会社空調服の業務部 部長である市ヶ谷透氏だ。
取材当日は午前中から気温30℃を超す真夏日だったが、首もとまでジッパーを閉めて、長袖の「空調服」をキッチリ着込んだ市ヶ谷氏をはじめ、同社の社員は皆、エアコンを使用しないオフィスで涼しい顔をしてパソコンに向かっていた。
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