連続調査No.31
「仕事による疲労とその影響」
―今後、仕事の「忙しさ」は加速すると予想。身体より心の健康への影響を懸念―

ビジネスや日常生活における様々なリスクについて、どう考え、どう対応しているかをお尋ねするセイフティー・ジャパン連続調査。No.31は「仕事による疲労」についての結果報告です。
景気が回復し企業の業績も上向いてきました。企業の様々な合理化や新しいビジネスへの挑戦が成果を上げつつある中で、働く側にはどのような影響があるのでしょうか。従来と同じ業務でも、標準化やリスク管理、ネットへの対応など今までとは異なる課題も多く、実際に手掛ける仕事の内容や質は変化してきています。こういった環境の下、多忙による疲労の蓄積が、身体や精神の健康に影響を与えることも十分に考えられます。
今回は、仕事の「忙しさ」についての印象と疲労感やそれによって生じる不安などについてお伺いしました。

日経BPコンサルティング 調査第一部 松田 紳司
2006年3月24日

約6割が仕事は「忙しくなる」と予想

■2004年頃に比べ仕事が忙しくなってきていると感じますか。

■1カ月の残業時間は平均で何時間ぐらいですか。
※「多忙層」:前問で「非常に忙しくなった」、「やや忙しくなった」に回答した人
「非多忙層」:同「変わらない」、「あまり忙しくなくなった」、「まったく忙しくなくなった」と回答した人

 景気回復が確実ではなかった時期に比べ、仕事が忙しくなったと感じるかどうかを尋ねた設問です。回答者の4割以上が「忙しくなった」と感じ、全般的に仕事は増えているという印象のようです。下のグラフでは実際の残業時間を比較しました。「多忙層(忙しくなったと感じている人)」では、「20時間~40時間未満」がピークとなっています。「忙しくなくなった」という回答が少ないので、「変わらない」と合算し「非多忙層(忙しくなったとは感じていない人)」としたピークは「20時間未満」。当然のことながら「多忙層」の方が残業時間は長くなっています。ただし、「60時間~80時間未満」で6ポイントの差が見られるものの、40時間を超える部分では意外に小さな差に留まっています。

 どのような時に「忙しくなった」と感じるかは人それぞれですが、その要因は物理的な仕事量だけとは限りません。今回の調査に寄せられた多くの意見を読むと、むしろ心理的な要因が背景にあると考えられます。仕事をしていて「しんどい」と感じること、これが多忙感や疲労を強くしているのかもしれません。

■お仕事は、今後、忙しくなっていくと思いますか。

 それでは、今後、忙しさはどうなると予想しているのでしょうか。「忙しくなる」が6割を超え、「忙しくなくなる」はほとんど見られません。今後もさらに「忙しくなる」という予想が全般的な傾向です。中でも前述「多忙層」は8割以上が「忙しくなる」と予想しており、多忙感は加速すると見ています。

■仕事が忙しくなる要因としてどのようなものが考えられますか。

■各項目について「影響が大きい」の比率を多忙層と非多忙層で比較

 仕事を忙しくする要因としていくつかの項目を評価してもらったものが上のグラフです。「人員の削減、異動」、「競争の激化」、「業務の複雑化」の影響が大きいという評価です。これだけでは、実際の忙しさとの関連がわかりにくいので「多忙層」と「非多忙層」に分け、各項目の「影響が大きい」という回答の比率を比較しました。項目は両層の差が大きい順に並べ替えています。「業務の複雑化」で最も差が大きく、「人員の削減、異動」、「競争激化」と続きます。「景気の回復、需要拡大」での差は小さく、外的な要因よりもどちらかと言えば自分の仕事環境(内的要因)の方が影響は大きいと考えられています。

 「プロジェクト担当部署にいます。仕事量の波が大きく、おまけに一緒にやっていた人が異動になり、実質、そのプロジェクトについて分かるのは自分一人になりました。このため、判断するための調査やヒアリングが増えました。なるべく他の人にふるようにすること、また嫌になったら、割り切って休みをとることにしています。精神的にまいってしまったら、結果的に手戻りが増えそうなので」(20代/女性)、といった意見が代表的なものです。

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。