<今週のハイライト>20〜30代で急増する「社内うつ」(1)
派遣社員とハイパフォーマーも要注意

早稲田大学
小杉正太郎教授
同じ理由で派遣社員も社内うつになりやすい。即戦力として期待されているが、契約期限の決まった派遣だけに、企業側は権限を与えず、肝心なことは教えない。特に技術開発分野の派遣社員は具体的な製品の姿もわからず、流れの中の一部だけを担当させられる。
「私は研究員のメンタルヘルスについてもカウンセリングを行っていますが、いまや大手企業のR&Dセンターでは3割以上も派遣社員です。彼らの活性化は大きな課題で、ある電機メーカーでは正社員登用への道を作ってモラルの維持を図っています。だが、仕事の先が見えないだけに社内うつの犠牲になる人も少なくありません」
小杉教授の分析では、社内うつになりやすい人たちは、まず補充による中途採用者、次に派遣社員、そして若手社員だという。
とはいえ、十分な権限を与えてもらえず、結果的に満足できる仕事をできない人たちばかりが社内うつになるとは限らない。職場や会社で必要とされ、頼られており、実績も上げているというハイパフォーマーが社内うつと無縁かといえばそうではない。
「一種の天才的なスーパーハイパフォーマーは別ですが、まじめに努力してがんばって高い成果を上げているハイパフォーマーほど危ないと私は思います。彼らは成功したパターンにはまりやすく、『自分は仕事ができる』と自信過剰になりやすい。実はたまたま仕事が体質に合っていたり、時代や周囲の環境、誰かのサポートでうまくいっていたのかもしれない。そこを客観的に見ることができず、職種や職場や環境が変わって、一度失敗するとうつ状態になりやすいのです。そこで、社内に相談できるネットワークを持っているといいのですが、そのままがんばると社内うつに陥ってしまう」
仕事ができると信頼の厚いみなさんも要注意ということだ。
<参考サイト>
●小杉正太郎教授の研究室
●労務行政研究所
『職場ストレス増大時代―メンタルヘルス対策の最新実態』はこちら
●社会経済生産性本部メンタル・ヘルス研究所
『労働組合のメンタルヘルスの取り組み』に関するアンケート調査はこちら
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