【今週のハイライト】ライブドア問題から見える株式市場の危うさ(3)
レスポンス・タイムが真の問題か
また、木走氏は東証のシステムが抱える問題は処理能力だけでなく、「真の問題点は平均応答時間(処理要求一つを受け付けてから処理を終え結果を通知するまでの時間の平均)にあるといっても過言ではない」と述べている。
同氏によれば、「売買注文がコンピュータに登録されたことを東証システムが注文を出した証券会社に通知してくるまでの時間(レスポンス・タイム)は平均10秒もかかっている」という。そして、「米ナスダックやニューヨーク証券取引所、英ロンドン証券取引所のレスポンス・タイムは0.2秒から0.01秒であるといいます」といい、これを「スペースシャトルと乳母車ほどの違いだ」と述べている。
これが事実とすれば、1秒を争って利ざやを抜き合う世界の金融市場において東証システムは置き去りにされるおそれがある。もし、抜本的なシステム再構築が必要であることを分かっていながら断行しないとすれば、昨年来からの多くの不祥事を東証は真剣に受け止めていないということになる。仮に日本証券クリアリング機構の存在がシステム再構築上、何らかの障害になっているのなら、その仕組みも含めて考え直すべきだろう。
いずれにせよ、東証にはITシステムの青写真を将来的な展望の元で書き直すと同時に、現場のシステム設計やプログラム作りを厳しくチェックできるようなマネジメントが不在であったとしかいいようがない。
この2月1日には遅ればせながらCIO(最高情報責任者)として、NTTデータ・フォース出身の鈴木義伯氏が就任した。報道では「公募」という名目であったにもかかわらず、西室会長自らがNTTに依頼して無理やりに選んでもらったということだが、その是非は問わず、鈴木氏が不在だったITマネジメントの穴を埋めてくれるだけの存在感を発揮することを期待したい。
2月21日には東証がロンドン証券取引所に売買代金で逆転され世界3位に後退したことが発表された。世界の主要取引所の中で1月の売買高が減ったのは東証だけという。事件以来の株式市場の低迷も実はライブドアショックではなく、本質的には「東証システムショック」ではないだろうか。そうであるならば、今後もリスクは継続的に存在し続けることを覚悟しないわけにはいかないだろう。
<参考サイト>
●東証の社長記者会見
●木走日記
抜本的改良は手遅れな東京証券取引所システム~問われる技術立国日本
やはり耐用期限過ぎていた東証システム
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