【今週のハイライト】
ライブドア問題から見える株式市場の危うさ(3)

~綱渡り続く東証のシステム~

 ライブドア問題は、個人的スキャンダルを超えて、日本の株式市場の様々な脆弱性をあぶりだした。これまでは、ライブドアはどんな手口を使い、どうしてそれがやすやすと見逃されてきたのかを逐一整理し、今後の株式市場の課題を大づかみにしてきた。第三回は、様々な株式市場の改革後も旧態全としたシステムを使い続ける東京証券取引所が、いかに世界の趨勢から遅れ、日本の株式市場をリスクにさらしているかを検証してみよう。

ナビゲーター/吉村 克己
2006年2月24日

(2)はこちらから>>
(1)はこちらから>>

カトリーナ級のライブドアショック

会見する東証の西室社長 取引システムの欠陥が発覚した問題で、金融庁に業務改善報告書を提出した後、記者会見する東京証券取引所の西室泰三社長(左端)(東京都中央区の東証アローズ)
(写真提供:時事通信社。なお同写真およびキャプションについて、時事通信の承諾なしに複製、改変、翻訳、転載、蓄積、頒布、販売、出版、放送、送信などを行うことは禁じられています)

 トータルで株式36万分割を行ったライブドアは投資家を振り回すと同時に、東京証券取引所のシステムの脆弱さも浮き彫りにしてしまった。ライブドアショックは並のハリケーンに耐えることのできた防波堤がカトリーナ級の暴風雨の直撃に無惨な姿をさらしたことに似ていた。

 ライブドアの発行済株式数は10億株を超える。そして、昨年9月末の株主数は約22万人。そのうち個人投資家が56%を占めるといわれている。ライブドアの株は1株で売買できたために、100株や1000株を売買単位(単元株)とする銘柄に比べて、単元ベースでは大きくなる。つまり、1株ずつばら売りできる分だけ、売買量のかさが増えるというわけだ。

 実際、ライブドアの単元株数は東証全体の45%も占めていた。2番手がNTTドコモで、2%程度というのだから、そのシェアの大きさが分かる。

 売買注文においては1単元が1株で100円の銘柄も、100株で100万円の銘柄も同じ1回だ。もし株主が1株ずつ売買を始めたら、東証のシステムにはとてつもない負荷がかかる。

 当然、東証関係者もその理屈は承知のはずだが、まさかそんな事態がやって来るとは思わなかったのだろう。だが、その悪夢は1月18日にやってくる。

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。