【今週のハイライト】ライブドア問題から見える株式市場の危うさ(1)

株式の100分割で株価をつり上げ

 まずは問題となった取引について概要を見てみよう。

 2004年10月、ライブドアの子会社であるライブドアマーケティング(LDM=当時はバリュークリックジャパン)が株式交換で情報誌出版のマネーライフ社を完全子会社とすると発表した。

 ところが、実際にはライブドアが出資し、事実上支配する「VLMA2号投資事業組合」が4ヶ月前の同年6月時点で現金によりマネーライフ社を買収しており、交換の目的で発行されたLDM1600株(その後、100分割で16万株)はマネーライフ社ではなく投資組合に渡った。

 この一連の行為がウソの情報にもとづく「偽計取引」とされたが、取引自体は違法ではない。問題はこの後だ。 2004年12月1日を株式交換日とすると決めたにも関わらず、LDMは同年11月8日にいきなり1株を100株にする大幅な株式分割を発表、株式交換日を分割効力発生日の2005年1月20日にずらした。

 買収時、マネーライフ社は約3000万円の債務超過状態に陥っていたが、投資組合が4200万円で現金買収することで、見かけ上の債務超過を解消。また、LDM自身も2004年11月12日の第三四半期実績発表で実際には経常損益が赤字だったにもかかわらず、架空売上げを計上し、「増収増益で完全黒字化した」と偽った。これが「風説の流布」に問われている。

 その結果、買収発表前に1780円だったLDMの株価は11月12日には4000円に、株式分割の基準日(分割の権利が取得できる日)である11月30日を過ぎてからは一気に上がり始め、12月1日は1万450円、12月16日には最高値の8万500円をつけた。

 こうしてLDMの時価総額は発表前の約16倍に達した。理論的には株式分割は増えた株数の分だけ株価も下がるので、全体の時価総額は変わらないのだが、手続き上、分割から株券が株主に配られるまで50日程度かかり、その間、株券が足りず品薄感から株価が上昇する傾向があった。ライブドアはこのトリックを利用した。

 最高値以降、株価は下がり、株式分割効力発生日の2005年1月20日には2万7900円となったものの、投資組合は高値でLDM株を売り抜け、約8億円の収入の大半がライブドアに環流したことが判明している。

 その後、検察での取り調べでわかったのは、ライブドア本体も1月20日当日、所有するLDM株を一部売却しており、約34億円の収入を得ていた。

 LDM株は結局、2005年1年間で3万5450円から6230円まで落ち、80%以上も下落した。2006年1月27日現在では1550円と、買収発表前を下回っている。これでは、会社の役割は株主への還元とか、会社の価値は時価総額などと堀江氏がいえた義理ではない。

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