リポート:泥棒の視点からあなたの家の「隙」を見つけよう

「被害に遭う前」と「遭ってから」の2つの防犯対策を

 『セコムとチェック!あなたの家の防犯診断』で使用される「ご近所」「家の回り」「敷地の中」「家の中」という4つの領域も、防犯環境設計の考え方にリンクしている。この防犯環境設計の考え方をいかにかみ砕くかというのは、コンテンツ開発時の大きな課題の一つだったという。その他開発に至るまでの経緯をIS研究所セキュリティコンサルティンググループの甘利康文氏と濱田宏彰氏に聞いた。

――外側から徐々に泥棒が家の中に侵入して来るという設定は、非常にイメージが湧きやすく、分かりやすいのですが、この発想は最初からあったのですか。

IS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
濱田 宏彰氏

濱田:
 侵入領域がいくつあるかという考察は、セキュリティの基本の一つですが、セコムではこれを「管理区画の中に正当な目的を持たないエージェントを入れないこと」と定義しています。つまり、この「管理区画」を家の周りに当てはめると、「ご近所」「家の回り」「敷地内」「家の中」と段階的に区切ることができます。それらの管理区画内に入られないためにはどうすればいいかというところで、今回使用しているのが防犯環境設計の考え方です。

 しかし、いきなり「接近の制御」や「自然監視性の確保」といわれても、ピンとくる人はいないでしょう。この防犯環境設計という理論の専門性を保ちつつ、いかに分かりやすく解説するかというのが開発時の大きな課題でした。セキュリティと防災の共通点として言えるのが、自分の身に降りかからなければ、なかなか実感が得られないということ。そのため、できるだけリアルに伝えることの重要性も、常に念頭に置いていました。

――実感がないということでは、「泥棒に入られても、うちは盗られるものが何もないから」という言葉をよく耳にします。

IS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利 康文氏

甘利:
 冗談半分の言葉としても、「自宅に空き巣が入る」ということに対して、いかにリアリティを持てていないかがよく表されているといえます。実は「物を盗られる」こと以上に「侵入される」ことに対して、精神的ダメージを受けてしまう人が多いのです。防犯に対する意識を底上げするという意味からも、この防犯診断はたくさんの方に試してもらいたいと思っています。

 これは、ホームセキュリティに加入している家にも同じことがいえます。ホームセキュリティは基本的に泥棒を防ぐためのものではありません。「不幸にして泥棒に入られた時、すぐに人が駆け付け、被害を最小限に抑える」というのがホームセキュリティの本来の役割です。「セコムに入っているから大丈夫」と鍵を掛けずに外出するのは、「シートベルトをしているから無謀運転をしても大丈夫」と考えることと一緒です。

――防犯を考える上で、あらためて大事な点を挙げるとすれば、どこになりますか。

甘利:
 防犯対策は大きく分けて、「被害をなるべく受けないようにするための準備」と「万が一被害に遭ってしまった時に、それを最小限に抑えるための準備」の2つだと考えられます。大切なのは一つ目の、被害に遭わないようにすることであり、泥棒に入られないための防犯対策をきちんとしておくことでしょう。この防犯診断では、補強するべき場所がよく分かるだけでなく、そのために必要なツールなども紹介しているので、まずは診断をしてみるところから始めてほしいと思います。

 もし泥棒に入られてしまった場合、大きな力を発揮するのはやはりホームセキュリティだといえます。「ホームセキュリティは特別なもの」というイメージを持っている人はまだ多いかもしれませんが、最近はかなり手頃な値段のものも登場しています。最近の泥棒は「見るからにお金のありそうな家をねらう」のではなく、「入りやすそうな家をねらう」ということを考えれば、ホームセキュリティも防犯対策における大きな選択肢の一つとなるでしょう。

 今は価格やサービスなどの異なった、さまざまなタイプのホームセキュリティが出てきています。セコムのHPでは、今後も防犯に関するさまざまな情報を提供していくとともに、「ホームセキュリティを選択するポイント」といったコンテンツも準備中ですので、今後もチェックしてみてください。

――どうもありがとうございました。

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。