リポート:
2006年、建築業界は「構造計算書偽造事件」からどう立ち直るか
~消費者の疑心暗鬼を晴らす施策が打たれる~
日経BP主要各誌が占う2006年の展望(4)
聞き手/吉田直人、談/日経アーキテクチュア副編集長・高津尚悟
2006年1月12日
2006年は建築業界の信頼回復の年となる

耐震計算偽造・記者の質問に答える住民代表
公的資金による生活支援や移転先の家賃補助を北側一雄国交相に求めた後、記者の質問に答える東京・墨田区のマンション「グランドステージ東向島」の耐震偽装対策委員会代表兼マンション組合理事長の田中拓さん(左)と荻津健二広報担当(東京・霞が関)
(写真提供:時事通信社。なお同写真およびキャプションについて、時事通信の承諾なしに複製、改変、翻訳、転載、蓄積、頒布、販売、出版、放送、送信などを行うことは禁じられています)
昨年は11月に発覚した「構造計算書偽造事件」によって、一般の人からの建築業界に対する信頼が失墜した年となった。今年はこの信頼の回復が問われる年になる。
これはいつでも起こりうる建築業界独特の「構造的な問題」なのか、それとも、もともとしっかりしていた業界が、政府の施策のまずさによってこういう事態を招いてしまったのか…。一般の人にとってこの点はぜひとも確認しておきたいポイントだろう。
実は「姉歯ショック」が特異なケースかどうかは、業界の中でも見解が分かれている。もともと建築主からのコストダウン要請が強い中で(時には暗に法令違反をほのめかされることもある)、ギリギリのところで綱渡りをしている建築士は多い。さりとて、こんなにやすやすと、構造計算の専門家以外にはブラックボックスともいえる「構造計算書の偽造」ということをやってまで大幅なコストダウンを図ることなど、建築業界の誰も想定していなかった。胸を張って「十分な強度を確保しています」「鉄筋の量は万全です」と言える建築士は多くないにせよ、ここまでのひどいケースが現実に起きてしまったことに、業界は衝撃を受けている。
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