リポート:
【今週のハイライト】
凶悪犯罪から子どもを守れ!
文/佐伯 幸子氏(安全生活アドバイザー)
2005年12月8日
子どもの『なぜ』に答えられる親はどれくらいいるのか

むごい事件が続発している。子どもを持つ親だけでなく、日本中がやりきれない思いで治安の悪さに憤っている。「いやな時代になった」「日本も安全でなくなった」と嘆くことは誰にでもできる。問題は、いま危険にさらされている子どもたちを誰が守るのか、という点だ。これに明確に答えてくれる人はいない。
学校や地域、行政、国も子どもたちを守らなくてはならないことは分かっている。しかし、これから考えて、予算を出して、と段取りを踏まなくてはならないのだから、時間が掛かる。もちろん、できることは何でもやっていかなくてはならないし、それは将来有効に活かされることになるだろう。しかし、それでは間に合わないのだ。いま危険と直面している子どもたちは一体どうすればいいのだろうか?
子どもに向かって、「自分の身は自分で守りなさい」と上からものを言うことはたやすい。「気を付けなさい」という言葉もそうだ。大人なら、どんな危険があり、どうすれば危険を避けられるのか、ある程度分かってはいるだろう。しかし、実は大人ですら、具体的な身の守り方を分かっている人は少ないといえる。
いま子どもを持つ親は、比較的「安全だった」といわれる時代に育ってきているため、子どもたちに伝えられるだけの身を守る知識を持っているとは考えにくい。自分が知らないことを子どもたちにどうして教えることができるだろうか? 「何かあったら、大きな声を出しなさい」と簡単に言うが、何かあったときに、大人は本当に大きな声が出せるのか疑問である。
これを人に問うと、まず誰も「Yes」とは答えない。「では、自分にできないこと、大人にもできないことを、どうして子どもたちにはそうしなさいといえるのですか?」この質問にも、誰も答えられない。また、「なぜ大きな声を出すべきなのですか?」と尋ねて、それに正しく答えられる人もほとんど目にしない。
大人は子どもたちに向かって、ただ「気を付けなさい」と言えば、役目を果たしたと思うのだろうか。何かあったときに、「いつも気を付けるように言っていたのに」と言い訳にはなるが、救いにはならない。誰でも、知らないことは人に伝えられないし、実行することもできない。子どもの身の守り方を知らない大人が子どもに伝えているのは、表面的な言葉だけであることが分かる。
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