第2回
世界遺産の街に大きなダメージ
日経アーキテクチュア 佐々木 大輔
2008年6月16日
聚源中学校を出発して約20分、一般道を車で走って都江堰市の中心部に入った。中国最古の水利施設で、世界文化遺産の「都江堰」がある観光都市として知られる街だ。震源からおよそ20kmの距離にある。大通りに立ち並ぶ建物は、程度の差はあれ、何らかの被害を受けているようだ。交差点に差し掛かると、角地にある建物が崩壊している姿が目に飛び込んできた。
都江堰市の中心部では、多数の救援車両が行き交う。道路沿いには青いテントが並び、被災者が疲れ切った表情を見せていた。交差点の角地に、一部が崩壊した建物が見える(写真:日経アーキテクチュア)
この建物は1階が店舗、2階以上が集合住宅のようだ。建物の端部で、2階以上が崩れ落ちている。あらわになったレンガ壁。そこに、プレキャストコンクリート製の床がだらりと垂れ下がっているのが見える。支えを失った屋根は折れ曲がり、壁に覆いかぶさっていた。「聚源中学校と同じような壊れ方だね」と、東京工業大学の和田章教授は話す。
交差点の角地の一部が崩落した建物。建物の端部で2階以上が崩れ落ちた。あらわになったレンガ壁には、穴のあいたプレキャストコンクリートの床が垂れ下がっている。残った建物の2階部分で、レンガ壁が崩れているのが見える(写真:日経アーキテクチュア)
車を停め、「太平街」と呼ぶ大通りに沿って歩いた。歩道には、はがれ落ちた建物の外壁やガラスの破片が散乱している。ほとんどの店舗が店を閉ざしていた。店舗内部の被害も大きかったようだ。家具などがすでに運び出され、がらんどうになっている店舗も多い。ある店舗では、鉄筋コンクリート製の柱、梁の間に積み上げたレンガ壁が、壁面ごと崩れている様子も確認できた。
大通り沿いにあった「中国農業銀行」の店舗。ガラスが路上に飛び散っている。内部に合った什器は既に運び出されていた(写真:日経アーキテクチュア)
大通り沿いにあった別の建物の店舗。鉄筋コンクリートの柱と梁の間に積んだレンガ壁が崩れている。レンガは中空のものが使われている。写真左側の鉄筋コンクリート柱が接合部付近で損傷している(写真:日経アーキテクチュア)
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