十和田湖の白鳥、ウイルスは強毒型のH5N1型

文/松浦 晋也
2008年4月30日

 4月28日、秋田県は十和田湖で見つかった衰弱した白鳥1羽と死骸3羽から鳥インフルエンザ・ウイルスが発見されたと発表した。翌29日、環境省はウイルスが強毒型のH5N1型であったことを公表した。日本における野鳥の感染例では、2007年3月に熊本県で発見されたクマタカの死骸からH5N1型の鳥インフルエンザウイルスが検出されて以来である。

 今回なによりも問題なのは、日本の行政、特に地方自治体が鳥インフルエンザの防疫について、その意義と緊急性をしっかりと理解していないらしいことだ。これでは、日本国内にH5N1型の鳥インフルエンザが鳥の世界の病気として定着してしまう可能性がある。それは、ヒトに感染する新型インフルエンザが出現する確率を高めることになる。

 このようなことが起きることは予想されていた。現在韓国では、H5N1型の鳥インフルエンザが広がりつつある。ロシアのウラジオストック近郊でも鳥インフルエンザが発生しており、渡り鳥経由で日本にもウイルスが入ってくる可能性が高い。

 鳥インフルエンザは、人への感染を滅多に起こさない。にもかかわらず、少しでも存在が確認された場合には迅速に徹底的な防疫を行わなくてはならない。突然変異を起こして、ヒトに感染する新型インフルエンザウイルスへと変化する可能性があるためだ。

 突然変異はウイルスの増殖に伴って起きる。従って鳥の世界での流行を抑止することは、新型インフルエンザの出現を防ぐために必須なのである。

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