さらば!迷惑メール(前編)
本誌実験で明らかになる傾向と対策

迷惑メールの被害が拡大している。迷惑メールが原因で、「仕事に支障をきたした」「友人から怒られた」など、怒りの声を上げるユーザーが増えている。
そこで本特集では、ユーザーへのアンケート調査や、おとりのメールアドレスを使った迷惑メール収集実験を敢行。被害の実態を浮き彫りにするとともに、効果的な対策法を紹介する。毎日やってくるうっとうしい迷惑メールに別れを告げよう。(仙田明広、松元英樹、田村奈央)

イラスト/峰岸 達
2005年7月13日

はじめに:
みんな迷惑メールに怒っている

 「君は私用メールをしていいと思っているのか」―― 30歳の女性Aさんは、ある日突然、上司に呼び出され、別室でこう問いただされた。Aさんの会社では社員あてのメールをすべてチェックしている。

 実は、Aさんは数日前、見ず知らずの相手から、「お金が必要になったから振り込んで」という内容のメールを受け取っていた。

 明らかに知り合いを装った詐欺メールだが、社内のメールチェックで業務に不適合と見なされたのだ。上司には無実を訴えて理解してもらったが、思い出すたびに釈然としない気持ちがこみ上げてくる。

●ネット上に流れるメールの8割以上は迷惑メール 米シマンテックの調査による迷惑メールの数の推移。迷惑メールの数は着実に増え、全体の8割以上を占める。2004年前半と比べて迷惑メールの総数は77%増えたという

●受信トレイにあふれる迷惑メール 迷惑メールの数が増えれば、受信トレイの中から必要なメールを探し出すのもひと苦労。アダルト関連のほか、違法ソフトや薬品など内容もいかがわしい

●「もう我慢できない!」アンケートに寄せられたユーザーの声

 33歳の女性Bさんは、ある日、自宅でアダルトサイトの勧誘メールを受け取った。パソコンを共有して使っている夫に変なサイトを見せたくない一念で、「配信解除」と書かれたアドレスに思わず返信してしまう。だが逆に、数日後には処理できないほど大量の迷惑メールが届く羽目に。現在、迷惑メール対策に定評があるプロバイダーへの乗り換えを検討しているという。

 迷惑メールの被害が深刻化している。インターネット上を行き来するメールの、実に8割以上が迷惑メールという調査結果もある(上表)。その種類も従来の宣伝・広告のみならず、出会い系サイトへの勧誘、架空請求の詐欺など手口も増えている。いまや迷惑メールは我々の仕事や生活に支障を来たすほどの存在になってきた。

 実際にユーザーはどれほどの被害を被っているのか。その実態を調べるため、本誌編集部はWebサイト上でアンケート調査を実施。読者を中心に約1600人から回答を得た。

 アンケート結果を詳しく見てみよう。1日の迷惑メール受信数は「ほとんどない」という人が28.5%いるが、逆にいえば70%以上が毎日迷惑メールを受け取っていることになる。わずかながら毎日100通以上と深刻な被害を受けている回答者もいる。

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