法人ユーザーには導入に手厚い補助
実際、ドライブレコーダーの搭載が安全運転につながっていることは、調査でも明らかになっている。国土交通省が2007年3月にまとめた「平成18年度映像記録型ドライブレコーダーの搭載効果に関する調査報告書」では、実際にドライブレコーダー搭載前と搭載後での事故低減率の比較例が挙げられており、人身事故で10%、物損事故で20%低減したというタクシー会社の例などが紹介されている。業務で多くの車両をかかえる法人ユーザーにとっては、事故率の低減は事故の絶対数の大幅な減少につながるため、事故処理費用などの低減効果は大きい。
法人ユーザーの場合は、ドライブレコーダーの搭載にさまざまな補助がある点も、大きなメリットだ。財団法人運輸低公害車普及機構は、ドライブレコーダーの搭載がドライバーの燃費改善意識を高めるとして、運輸業者などを対象に機器導入費用の3分の1を補助する事業を毎年行っている。また自治体でも、東京都などが同様の補助制度を提供しているほか、東京都トラック協会など地域の業界団体が安全対策の一環として補助を行うなど、ドライブレコーダーの搭載に対する支援が手厚い。補助制度だけでなく、保険会社が運輸業者などと契約する際も、ドライブレコーダーの搭載状況を判断材料に、掛け金を割り引くケースもある。
表2:ドライブレコーダー搭載に対する団体や自治体による主な補助制度(2007年度の例)
その一方で個人のドライバーについては、このような補助制度はほとんどない。米国では保険会社が契約者にドライブレコーダーを配布する例も出てきているが、日本では保険会社が契約者に物品を配布することへの規制が厳しいこともあり、行われていない。ドライブレコーダー搭載に関する特約などもなく、ドライブレコーダー導入に対し個人にはインセンティブが働かないのが実情だ。そうした事情もあって、約13万台というドライブレコーダーの累計出荷台数のうち、7~8割がタクシー事業者による導入とされるなど、現在のドライブレコーダーのユーザーは、運輸業者などの事業者が大多数を占める。
ただ安全・安心に対するユーザーの意識の高まりを背景に、個人への普及の予兆も見え始めている。その一つが本田技研工業の取り組みだ。同社は2008年1月から、純正ドライブレコーダーをディーラーオプションとして用意し、高級車種から順次適用を開始した。国内で初めて自動車メーカーの純正品として登場するのをきっかけに、2008年は個人のドライバーへのドライブレコーダー普及元年となるかもしれない。
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