衝撃を感知してその前後の映像を記録
ドライブレコーダーは、衝突や急ブレーキなどで急激な加速度(以下、G)が車にかかった場合に、加速度センサーがその衝撃を感知し、車体前方に向けたカメラで衝撃前後の映像を記録するものだ。カメラは常時まわっているが、衝撃を感知した場合、その衝撃前の15~20秒と衝撃後の5~10秒だけを抜き出して保存する。映像は毎秒30コマほどのJPEG画像またはMPEG形式の動画で記録され、SDメモリーカードなどの外部メディアに移して活用できる。
図2:ドライブレコーダーで実際に撮影された事故瞬間の映像。速度なども映像と重ね合わせて記録できるものもある。映像はドライブレック提供
航空機のフライトレコーダーと名前が似ていることから、ドライブレコーダーも事故の原因分析用に登場したと思われがちだが、もともとは速度やエンジン回転数などをデジタルで記録するデジタルタコグラフの一種として登場した。2003年ごろから映像の記録機能を付加して事故分析に使えるようにしたものが登場した。今ではドライブレコーダーと言えば、映像記録が大前提の機能と思われるようになった。映像と同期する形で、ハンドル動作やウインカーの状況、GPSによる位置情報や音声などを記録できるものもある。
ドライブレコーダーは、きょう体によって大きく2種類に分けられる。一つはカメラと本体が一体型になったもので、取り付けは簡単だが、フロントガラスへの取り付けなので目立ちやすい。もう一つはカメラと本体を分離したもので、フロントガラスに取り付けるカメラは小型化できるが、本体と有線でつながなくてはならないため取り付けに少し手間がかかる。価格は3万円から20万円程度と幅広い。
図3:ドライブレコーダーはカメラと本体が一体になったもの(左:ホリバアイテックの「どら猫」)と分離したもの(右:富士通テンの「DREC2000」)の2種類がある
事故の瞬間を映像で記録するため、当初は事故後の補償トラブルなどの解決に有効な機器として期待する向きも多かったが、ドライブレコーダーの映像が実際に証拠になるかどうかは、結局、裁判官の判断による部分が大きい。そのため「今は事故時の証拠目的よりも、安全運転の指導目的に導入するユーザーが多いようです」と、ドライブレコーダーの映像を使ったコンサルティングなどを手がける有限責任事業組合(LLP)、ドライブレコーダー普及活用プロジェクト(ドライブレック)の事業統括責任者の八木敦氏は言う。ドライブレックは、ドライブレコーダーの映像をもとにした安全運転講習の企画などを手がけるコンソーシアムで、自動車学校やサーバー運営会社などで構成される。
ドライブレコーダーの映像を使った安全運転講習は、実際の事故や危険だった例を題材にするだけでなく、分析で明らかになった運転のくせをもとに、ドライバーごとに最適化した講習を行える点で効果的だ。またドライブレコーダーを搭載しただけで、「自分の運転が監視されている」という自覚から、自然と安全運転になる傾向が見られるという。
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