ハンドルを握ったままで本人認証が可能に
指静脈認証でも、新たな技術によるアプリケーションが提案されている。日立製作所が2007年10月に発表した「ハンドル一体型指静脈認証技術」である(図7)。これは自動車のハンドルを握ることで指の静脈パターンを瞬時に確認して本人認証を行うもの。この技術を使うことによって、車の盗難防止だけでなく、ドライブスルーでの支払い、車内で聴くための音楽ダウンロードサービスを利用した際の自動決済なども可能になる。
周知のように自動車はパワートレイン面でも安全面でもテレマティクス(通信と情報の融合)面でも、いまや電子化が主役といってもいいような状況になりつつある。そうした中で、とくにテレマティクス分野で今後提供されていくであろうさまざまなサービスを、この技術を使うことによって本人以外の不正利用からハンドルを握ったままで簡単に守ることができる。
また本人認証により、シートやサイドミラーの位置、空調など、ドライバーの好みに合わせた車内環境を設定できる。認証装置にそれぞれの指の静脈を登録し、指ごとの機能を設定することによって、添える指を変えるだけでカーオーディオやカーナビを操作できる多機能スイッチとしての利用も可能になる。
この「ハンドル一体型指静脈認証技術」は、先に紹介した平成19年度・文部科学大臣発明賞受賞の「指の側面に光源を設け、撮像した複数の透過光画像を合成する技術」の応用といえる。日立では今後、この技術を自動車だけでなく、他のさまざまな分野へも応用していく考えだ。
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