入退室管理は従来、企業や大学の研究所、工場、病院、コンピューター室といった特定施設に必要な防犯システムあるいはその延長上のセキュリティーにすぎなかった。だが今や、企業が抱えるさまざまな課題、例えば事業継続、内部統制、個人情報保護法、機密情報管理、ISMS(情報セキュリティーマネジメントシステム)、労務管理、安否確認といった課題に対して、入退室管理はどのような課題解決となりうるかといったとらえられ方をすることが増えてきた。
単に出入り口のドアから侵入者を防げば済むということではなくなり、企業の課題解決ソリューションになりつつあるのだ。それを背景に多種多様な入退室管理システムが登場してきている。どんな入退室管理システムや関連技術があるのか。主だった製品の特徴や導入の際のポイントなどについて、今回と次回の2回に分けて見ることにする。
文/日高 俊明
2007年7月18日
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多様化する企業の課題と入退室管理システム
入退室管理システムはこの4、5年、従来の数十倍の規模で増加しているとの指摘もあるほど、急激な拡大を見せている。その直接的なきっかけは、2001年の9.11ニューヨーク同時多発テロや、セキュリティーを重視する外資系企業の日本進出、個人情報保護法など、いくつか挙げられる。
例えば日本情報処理開発協会は「プライバシーマーク制度における監査ガイドライン」で、個人情報の適正管理を義務付け、建物における入退館、および部屋ごとの入退室に資格付与細則を定めているかどうか、入退者への資格審査や資格識別証の発行により入退管理を定めているかといった監査項目を設けている
こうした要件を背景に導入が進むにつれて、セキュリティーの運用に関するニーズは高度化した。例えば人事異動の際、異動後もスムーズに使えるようにといった人事情報との連携、あるいは、受付システム、車両管理、カード発行管理業務などとの連携もある。
運用が高度化すると、セキュリティーレベルも高度化して使いづらいものになる。そこで今度はそうした使いづらさの改善といった課題も生まれている。
技術的トレンドとして最近増えているのは非接触のFeliCaカードと社員証の連動、生体認証(バイオメトリクス)の採用、セキュリティーゲートの設置、全国各地の拠点を統合的に管理する群管理などがある。
このうちセキュリティーゲートは、共連れ防止効果や外部に対するセキュリティー性の高さをアピールする効果があり、導入に関心を示す企業が少なくない。群管理は企業ごと、あるいは企業の業種業態によって運用形態が異なる。例えば本社と工場ではセキュリティーに対するスタンスが異なる、といった具合だ。今、そこをうまくつなぎ、セキュリティーポリシーをまとめるノウハウが重要になってきている。
導入が進むに従って入退室管理システム関連機器の単価は下がっている。機器や装置のリース、ASPによるサービスといった形態によって、これまでより安価に入退室管理システムが導入できるようになりつつある。この結果、これまではもっぱら大企業がターゲット市場だったのが、中堅・中小企業へと裾野も拡大している。
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