H5N1型という“敵”に日本が採るべき策

鳥インフルエンザのさまざまな感染ルート

岡田:現在の鳥インフルエンザは、ヒトに対する感染効率は低いです。病気の鳥や死んだ鳥に濃厚に接触した場合に感染しています。人間の肺の奥の細胞は、鳥の細胞と同じ性質を持っていて、鳥インフルエンザのウイルスが感染可能なためです。

 それとは別に、十分に加熱していない感染鶏の鶏肉、鶏卵、あるいは地域によっては鶏の血を使う料理がありますが、そういったものを食べた場合にも感染が起きた例が存在します。アヒルのいる池で遊んだ子供が感染したという例もあります。ウイルスを含む鳥の糞が水に溶けていたらしいということになっています。

――例えば半熟卵は、加熱したことになるのでしょうか。

岡田:現状の日本では、養鶏場の防疫がしっかりしているので問題はないです。しかし、鳥インフルエンザが発生している外国で半熟卵を食べるのは避けたほうがいいでしょう。半熟卵の中身はタンパク質が変性しているものの、ウイルスが不活化するほどの高温にはなっていませんから。

 感染拡大のルートとしては、このほかに死んだ鳥を食べた猫、ネズミなどの哺乳類があると推定されています。野鳥での防疫では、死体をいち早く回収して野生動物が食べないようにすることが大切です。

 ヒトに感染した場合は、「感染したけれども症状がでない」という不顕性感染はまずありません。100%発症します。高熱、せきといった通常のインフルエンザの症状に加えて、全身感染も起こすので、多臓器不全を発症します。特に肺炎が起きるので、患者は呼吸困難に苦しむことになります。腸管にも感染するので、発症者の約70%は下痢を起こしますし、腸管の細胞が破壊されることによる血便も出ます。

 そして、防疫の面で非常に重要なことですが、患者の便にも血液にも大量のウイルスが含まれます。これは例えば、患者と風呂を共有してはいけないということです。

 致死率、つまり感染者のうち何%が死亡するかという割合は、50%以上、世界各国では主に医療水準の格差によって37%から88%までばらつきがありますが、おおむね半数以上が死亡します。これはもう、従来のインフルエンザとはっきり区別すべき、別の恐ろしい感染症です。

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