H5N1型という“敵”に日本が採るべき策

従来のインフルエンザ、鳥インフルエンザ、新型インフルエンザ

――前回掲載した田代眞人氏のインタビュー、に対しては、大きな反響がありました。なかでもプレパンデミックワクチンには多くの人が興味を持ったようです。このあたり、もう少し詳しい説明をお願いできますでしょうか。

岡田:まず、基本的な知識について繰り返しておきましょう。最初に、従来のインフルエンザとH5N1型の鳥インフルエンザ、そして新型インフルエンザの区別をきちんと理解しなくてはいけません。

 従来のインフルエンザは、鳥インフルエンザがヒトに感染するように突然変異を起こしたものですが、上気道にしか感染しない弱毒型です。

 一方、H5N1型の鳥インフルエンザは、全身感染を起こす強毒型ウイルスです。基本的に鳥にしか感染しません。ただし大量のウイルスと濃厚接触すると人間にも感染しますし、トラなどその他の動物でも感染例があります。全身感染するので、致死率が非常に高いです。

 新型インフルエンザは、鳥インフルエンザがヒトからヒトへの連続した感染を効率よく起こすように突然変異を起こしたものです。まだ出現していません。

 ただし、過去のインフルエンザのパンデミックはすべて鳥インフルエンザがヒト型に突然変異を起こしたために発生したことが分かっています。ですから、現在鳥の世界で広がっている強毒型のH5N1ウイルスは、間違いなくどこかの時点でヒトからヒトヘ感染する新型インフルエンザに変化すると考えねばなりません。

――H5N1ではない、弱毒型のウイルスが、次のインフルエンザとなる可能性もあるということでしたが。

岡田:それはその通りで、次にH9N2型などが来る可能性はあります。ですが、新型インフルエンザによるパンデミックは平均27年に1回の間隔で起きています。既に鳥の世界でパンデミックとなっているH5N1ウイルスは、“次”に来なくとも、相変わらず“次の次”の候補なのです。27年というのは平均ですから、もっとずっと早く“次の次”としてH5N1が新型インフルエンザとなる可能性もあります。対策を怠るわけにはいきません。

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