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日本の情報収集活動はどこが抜けているのか(第3回)
中国による民間企業への情報収集活動が活発化している
――1990年代はアメリカのエシュロンにしてやられたようですが、現在、日本の情報戦略上、もっとも注意を要する国はどこでしょうか。

軍事ジャーナリスト
鍛冶俊樹氏
鍛冶:
やはり中国でしょうね。
先日、オーストラリアで中国の外交官が亡命をして、オーストラリアには中国の工作員が1000人以上入っていると暴露しました。
日本にも1500人以上、アメリカにも1000人以上が入っているとのことで、日本では主に技術情報を狙っているとはっきり述べています。
確かに、防衛庁や自衛隊は監視が厳しいので、そう簡単に情報を盗むことはできません。ところが、一般企業はそのあたりをまったく警戒していないんですね。
しかし、よく考えればわかるように、今の時代、軍事技術と民生技術の差というのは、あまりありません。
先日のヤマハ発動機の中国輸出事件がいい例ですが、あんなラジコンの無線ヘリであっても、軍事転用な技術というのはいくらでもあります。そうなれば、わざわざガードの固い防衛庁から技術を盗み出す必要もなく、一般企業から買えばいいわけです。
いま狙われやすいのはバイオの関係の技術だと聞いています。これにしても、民間の会社や技術者が相手ならば、盗むのも簡単です。
まず、社内でバイオの技術を持っている人を調べ、その人の家の近くに新しく部屋を借り、盗聴器を仕掛けておけば何とかなってしまいます。
それが何千億円という市場になるのですから、情報収集活動も活発になってくるのは当然のこと。もちろん、これは中国に限った話ではありませんが……。
――大企業になれば、それなりに産業スパイに対して警戒をしているのではないでしょうか。
鍛冶:
そこが問題なんです。例えばトヨタ自動車の技術を、中国の自動車メーカーが盗んだとしても、現実的にはたいした被害はありません。明らかに似たような車が登場しても、トヨタに言わせれば、「まだあんなものしかできないのか」という程度です。
しかし、盗んだのが中国の情報機関であると、それがそのまま軍の情報として生かされてしまいます。そうなると、一般の目に触れない分だけ厄介です。
トヨタにしてみれば、自分のマーケットが侵されたわけではないのですから、痛くもかゆくも感じません。ですから、警戒感もほとんどないといっていいでしょう。
日本の警察の人も、そのへんの意識は低いですね。最近では、防衛庁の情報流出は摘発されるようになりましたが、大企業の技術情報を守るところまでは手が回らないようです。
しかし、日本の先端技術が流出してしまったら、日本の富も失われてしまうということを、もう一度考えるべきです。
とくに中国の場合は、国家機関が膨大な金を出して情報収集をしているのですから、日本の企業は警戒をしなくてはなりません。
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