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日本の情報収集活動はどこが抜けているのか(第2回)
過渡期の技術や機械では、これまでも情報流出が起きていた
――情報流出のルートというのも、技術が発達するにしたがって、ますます複雑になってきていますね。
鍛冶:
基本的に、新しい技術は注意して扱えというのが原則です。
携帯電話にしても、今でこそデジタル化、暗号化されていますが、以前は秋葉原で売っているような機械で堂々と傍受できました。
まったく普通の会話を電波で垂れ流していたわけですから、普通の傍受の機械があれば聞けるのは当然です。でも、実際に使っていた人たちは、まさか盗聴されているなんて思いもよらなかったでしょう。
似たようなことは、新しい技術が登場すると、実は必ず起きることなんです。
第一次世界大戦当時、ロシアは新技術である無線を使っていたのですが、これを使って重要な情報を全部交信したものだから、ドイツ軍にやすやすと傍受されてしまいました。
なぜそんなことをしたのかといえば、無線機という新しい機械が登場したときに、将軍も兵隊もそれが傍受可能だということに気がつかなかったからです。
一方で、昔ながらの技術である文書の送信に際しては、きちんと暗号化して送っていたというから皮肉なものです。
新しい技術や機械には、経験則は通じません。「なんだかよく分からない」という理由で、無防備になってしまいがちなのです。
今日、携帯電話やインターネットで、盗聴や情報流出が起きているのも、普及までの過渡期の現象と考えれば不思議なことではありません。
――ウィニーによる情報流出も、そうした流れにあるということですね。
鍛冶:
ウィニーはまさに、典型的な例でしょう。ほとんどの人が、ウィニーの仕組みが分かっていないのですから。パソコン自体だって、分かっていない人がほとんどでしょう。
私が最近不気味に感じたのは、家にある電話です。最近の電話は、勝手にどこかと通信して、時計を合わせたり、データを更新したりする機能があるんですね。
先日、夜中にふと電話を見ると、光が点滅して、「センターと通信中」と表示されているんです。
考えれば、電話というのも、その仕組みを考えれば怖い機械です。
受話器がかかっているから話は通じていないと思うのは素人で、実は通じさせることができるんです。ガチャンと受話器を置くと、電話器が切れているようなふりをするだけの話です。
携帯電話をはじめとして、今みたいにデジタル制御されている電話では、いったん切れたふりをしていながら、つながったままにしておくことも、プログラム次第では不可能ではありません。
しかも、そのプログラム自体も送受信できるわけです。悪意をもってプログラムを忍び込ませれば、ウィニーによる情報流出と同じようなことになるでしょう。
いずれにしても、新しい技術が発達する過渡期には、扱いに注意が必要です。
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