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“食品の裏側”を明らかにする(前編)
情報開示によって自由な選択が可能になる
――確かに現代人は、多かれ少なかれそういった食品に助けられている部分があり、身体に悪いものすべてを避けることは到底無理と思われます。

『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社)
著者 安部司氏
安部:
「添加物がたくさん入っていて、つらいな」と思いながらも、私だって忙しければコンビニのお弁当を食べることがあります。でも、もしそれが本当に嫌なら、奥さんに頼みこんで手弁当を作ってもらうという方法もありますよね。
私たちの食生活から添加物を完全に排除することは、現実的に不可能な話です。それは、たとえ毎食手作りの食事を取っていたとしても同じこと。大切なのは、メリット、デメリットの両方を考えて、その中で少しでも添加物の入っていないもの、少ないものを選ぶという選択を、日々していくことにあると思います。
問題は、消費者がそういった選択ができるよう、充分な「情報開示」がなされていないという点です。ラベルだけでは読み取れないごまかしや、わざと誤解させるような表示もたくさんある。だからこそ、現場をよく知っている自分が、「情報をオープンにしていこう」と思ったのです。
さっきのポテトサラダにしても、「合成保存料は使用していません」などとあえて表示している場合があります。しかし、もともと合成保存料は使ってはいけないものです。それをいうなら本当は、「合成保存料は使用していませんが、保存効果のある化学物質はいっぱい使っています」と書くのが正しい。そうすれば「そこまで怖い思いをしてまで便利でなくてもいい」と判断する人がでてくるかも知れません。情報をきちんとオープンにした上で「何を選ぶかは消費者の自由」というのが本来あるべき姿です。
――食品に表示されている原材料はどのように読んで判断すればよいのでしょうか。
安部:
「この添加物は危険度が高い」「この添加物は比較的安全」などといったことを覚えても意味がないと私は考えています。約1500種類もある添加物をすべて覚えるなど、到底無理な話です。また、添加物の危険性は単独でさまざまな検査が行われていますが、それらを複合摂取した場合の危険性については明らかにされていません。しかし、コンビニエンスストアでサンドイッチを買って食べれば、それだけで十数種類もの添加物を一度に摂取することになります。
そのため私は、食品の表示を見たときに「台所にないものが添加物」と考えることを提案しています。しょうゆを例に取ると、本物は塩と小麦と大豆という、消費者が知っているものだけで出来ています。ところが安いものになると、グルタミン酸ナトリウムだとか、カラメル色素だとか、安息香酸ブチルなどといった、台所にはない化学物質名がずらりと並んでいる。それはもはやしょうゆではなく、しょうゆ風味調味料とでもいうべきものですね。
講演などで「まずは手首の練習」と言っていますが、それは「食品の裏を返して、表示をよく見ましょう」という意味です。安いけれど添加物が大量に使われている食品は、身の周りにあふれています。そういうものを仕掛けたメーカーも悪いけれど、それを気にもせず平気で買っていく消費者もよくない。裏を見れば、自分の知らないもの、およそ台所にないようなものがたくさん入っているのが分かるからです。
台所にはないもの、すなわち添加物がたくさん書かれていたら、そこで選択をしてください。見た目のキレイさや値段の安さと同時に添加物も一緒に取るか、それとも、もう少し値段が上がって見た目が悪くなっても、無添加のものを取るか。「こんな添加物でコテコテのものを売ってはいけない」という前に、あなたがそれを選択しないという方法もあるのです。「こんな添加物だらけのものはイヤだ」と誰も買わなければ、今の流通制度ならPOSデータのABC分析により、3日後には売り場から消えてしまいますよ。
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