ついに花粉症の季節がやって来る!
花粉症の最新治療と予防策を知ってこの春に備えよう

日本医科大学 耳鼻咽喉科 大久保 公裕 助教授


寒さが緩み出すこれからの季節、次第に憂鬱な気持ちを募らせるのは「花粉症」に悩む人たちだろう。今年のスギ花粉飛散量は、昨年に比べ、東京で10%前後、飛散量が多い地域でも30%~40%程度とかなり少ないことが予想されている。しかし、花粉が飛んでいる限り油断はできない。つらい季節を少しでも快適に乗り切るため、花粉症発生のメカニズムや治療の最新情報など、日本医科大学付属病院 耳鼻咽喉科 大久保 公裕先生に話を聞いた。

聞き手・文/藤崎 典子、写真/藤井 誠

2006年2月9日

増加の一途をたどる花粉症の原因は何なのか

――花粉症は、どのように発症するのですか。

日本医科大学 耳鼻咽喉科
大久保 公裕助教授

大久保:
 花粉症になると、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状がでます。これは、体の中から花粉を除去するために、くしゃみで吹き飛ばす、鼻水で流す、鼻づまりで中に入ってこないようにするという、防御の反応です。目がかゆくなるのも同様で、かゆみによって花粉を除去させるために起こります。

 人間にとって花粉は、体の中にはないタンパクで「異物」です。しかし通常、花粉のような自然のものは、異物とは感じないようになっています。もしそれを異物と感じてしまうなら、食事で採るものなどもすべて、体の中にはないタンパクとしてアレルギー反応を示すはずです。特定のある物質に対してだけアレルギー反応が起こるのは、体質的に決まっているからです。スギ花粉症の場合、花粉自体の飛散量が多く、またスギ花粉に対するアレルギー体質を持っている人が、圧倒的に多かったのでしょう。

 ところが今は、スギ花粉に対するアレルギー体質を持っていない人まで発症するようになっています。厚生労働省の調査によると、国民のおよそ16%~20%の人が花粉症と考えられていて、ここ10年でおよそ2倍も増加しています。その背景には、植林などによりスギが増えたことを始め、住宅や食べ物といった生活様式が変化したことなど、現代の様々な要素が花粉症の発症に合っていたのでしょう。

 親が花粉症でなくても、子どもが花粉症になるというケースがよくあります。遺伝によって、たいていは「ひとつの物質を異物として認める」という体質おいて似ているはずなのです。臓器移植が確実に行えるのは親子だけだと言えるのも同じ理由によります。しかし、花粉症の場合はこれに当てはまらず、その理由も今のところ解明されていません。遺伝に関わっていない部分があり、増加の一途をたどっているとすれば、あとは環境による要因が大きいと考えられるわけです。

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