“塩爺”が日本の構造改革を語る!(後編)
~単なる公務員減らしでは、行政改革は進まない~

なぜ「三位一体の改革」は進まないのか――塩川氏はその理由は自らの立場にしがみつこうとする中央官庁の役人の抵抗にあると見る。そして、その解消には公務員の適材適所の再配置が必要だと分析する。
一方、国連常任理事国入り、小泉首相の靖国参拝問題とアジア諸国の反発といった日本の外交についても語った。なぜ、日本は外交力が乏しいのか。塩川氏は政府の意図が充分に理解されていないことが根本にあると指摘する。
さらに最大のパートナー国である米国との付き合い方にまで話は及ぶ。その米国との付き合い方では、塩川氏独自の日本の外交論が展開される。

文/川口篤、講演/塩川正十郎(元財務大臣、東洋大学総長)

2006年1月24日

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真の公務員改革は削減だけではない

元財務大臣、東洋大学総長
塩川 正十郎氏

 私は運輸大臣をやったことがあって、航空管制官のことははよく知っています。航空管制官というのは、画面を見つめ続けなければならない、ものすごく神経を使う仕事です。

 この仕事は8時間交代などではとてもできないんです。外国の空港はだいたい2時間か3時間で交代しています。交代要員がたくさんいるわけです。それに比べたら日本は全然少ない。

 羽田空港では、今滑走路が3本ありながら、常時使えるのは1本しかありません。夕方、朝の忙しい時でも2本までしか使用していない。なぜか。管制官が圧倒的に足りないからです。

 今度羽田の滑走路がまた増えますが、空港の運営を行う管制官が少ないのに滑走路をたくさん作っても意味がないんです。ハードは拡張しているのにソフトの面がついて行けていないからです。これから役所に対して期待するのは、そういう指示や監査といった部門に適材適所で人を増やして配置してほしいということです。

 私は、今の政府が「5年間で5%公務員を削減する」という報告を、内閣の人から聞きました。彼は「5%を切るのはしんどいけれど、1年で1%も削減できる」といったんです。

 私は削減するのではなくて、規制緩和や業務の機械化等で人が余ってくる役所がたくさんあるのだから、その人たちを評価や監査といった人員が足りない所に回すのがよいと思うんです。つまり、配置替えをするということをやったらどうかということです。そのためには勿論、再教育が必要ですよ。

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