- HOME
- >> セーフティー・ジャパン
- >> インタビュー
ディーゼルエンジンから発生する微粒子の恐怖
――もう一つの注目点、微粒子についてはいかがですか。
東京大学先端科学技術研究センター
近藤 豊教授
近藤:
微粒子は空気中に浮かんでいる直径数nm(ナノメートル)から100μm(マイクロメートル)程度の粒子を指します。懸念されるのは、これが人間活動によって大量に放出されること。排出原因の代表格がディーゼルエンジンであり、、大きく分けると、自動車から直接出る微粒子と、自動車から出た気体の有機化合物や窒素酸化物などが大気中で反応して出来た微粒子の2種類があります。
図5:大気中に浮遊する直径数nmから100μm程度の微粒子はエアロゾル(aerosol) と呼ばれる
資料提供:近藤研究室(東京大学先端科学技術研究センター )
ディーゼルエンジンから出る粒子のなかでも特に危険性が高いのが、ブラックカーボンと呼ばれる黒い粒子、いわゆる煤(すす)で、この周りには多環芳香族炭化水素類(PAH)という有害物質が付着しています。東京都ではこれを減らすべく、規制を設けましたが、実は期待するほどの成果は上がっておらず、現時点で10%程度の減少に留まっています。排気用のフィルターがうまく機能していないなどの理由があると思われますが、もう少し調査を進める必要があります。環境対策を取るのは大切なことですが、きちんとフォローアップして、効果があるかを確かめることが非常に重要だと考えます。
物流を担うディーゼル車の多くは明け方に東京へ入ってくるので、明け方ほど、微粒子の濃度が高まります。空気は混合されるので、東京だけでなく関東一円が同様の現象になっている可能性もあります。明け方は空気が清々しいから、とジョギングをする人も多いようですが、本当はあまりおすすめできません。
図6:微粒子の微粒子
資料提供:近藤研究室(東京大学先端科学技術研究センター )
竹川:
ディーゼルエンジンからは不完全燃焼によって、微粒子が放出され、空気中に漂っています。私たちはこうしたものを日常的に吸い込んでいるわけで、人体に取り込まれた微粒子は、やがて肺胞に沈着すると言われています。
この連載のバックナンバー
- 2009年展望――失業率と犯罪の関係を読む (2009/01/13)
- 世界標準のセキュリティを日本市場に (2008/09/09)
- 新型インフル対策、地方の現状・世界の状況 (2008/08/08)
- H5N1型という“敵”に日本が採るべき策 (2008/05/16)
- 新型インフルエンザの“リアル”を語ろう (2008/03/28)

