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ユーザーAさんは街中でみかけた「デザイナーズ住宅」に一目ぼれし、その住宅を手がけた建築家に設計を依頼した。住宅は完成後3年を経過して雨漏りが多発するようになった。
ユーザーAさんには、通勤途中でいつも目にとまる住宅があった。南面がガラス張りで、さんさんと太陽の光が入っているのが外からも分かった。周りの町並みから一歩抜きんでているようにみえた。ある建築家の設計した「デザイナーズ住宅」だった。
「こんな家に住みたい」
Aさんは一戸建て住宅の新築を予定していた。道でみかけた住宅を手がけた建築家を探し出すと、さっそく住宅の設計を依頼した。施工は地元の住宅会社に任せた。
だが完成した住宅では、常に雨漏りに悩まされることになってしまった。住宅が完成してからしばらくして、施工を手がけた住宅会社が倒産した。Aさんには補修を頼む相手がいなくなった。
完成後3年が経過したころ、Aさんは住宅の引き渡し時に手渡された瑕疵保証の保証書を思い出し、保証機関に調査を依頼した。
主原因はシーリング切れ
構造の弱さが遠因に
「内部に入ると、あらわしにしている木材は雨漏りの水で黒ずみ、とても築3年にはみえなかった」と、保証機関の検査担当者は話す。軒が全くなく、風が吹くと雨が壁に当たるのを防げない。担当者は雨漏りの原因を壁のシーリング切れによる雨水の浸入と判断し、シーリングを補修した(「事件ファイル047」参照)。
問題は、この補修が一時的なものに過ぎないということだ。新築時に施工したシーリングがわずか数年で切れたということは、補修後も同程度の年数で再びシーリングが切れる可能性は高い。それでも保証の範囲内では恒久的な改善は行えなかったという。
この事故について、住宅保証機構検査部長の篠塚重夫さんは次のように話す。
「シーリング剤は建材同士のすき間を埋める材料だ。建材同士が動かなければ問題は起きないが、建物は横風などを受けて揺れる場合が多い。構造の初期剛性が低ければ、建材同士も動きやすくなる。シーリング切れによる雨漏りは、そうした構造的な問題を内在している場合がある」
ただし、構造剛性を高めようとすれば、今回の事例では保証範囲を飛び超えてしまう。何年も雨漏りに悩まされてきたAさんには、そこまでの工事費を自己負担する余力はなかった。
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