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第2回
量的規制緩和解除は何をもたらすか(2)
~金利上昇は避けられないのか~
経営コンサルタント 吉田 繁治氏
2006年4月7日
2006年3月9日、日銀は量的規制緩和を停止することを決定しました。本稿は、「量的緩和の解除」が意味するメッセージを解釈し、つぎに今後の経済への見通しへと展開します。
量的緩和の解除について、考察を続けます。普通の経済なら、この程度のことは問題になりません。
なぜ今回の政策転換が、重要な意味をもつかと言えば、1000兆円の政府部門(国家、自治体、特殊法人)の負債があるからです。
そして日本を含む世界では、後述しますが、1京3800兆円(05年末)もの金融負債が積みあがっているからです。
【すでに金利上昇】
日銀が3月9日に発表した「量的緩和の解除」は、アナウンスメントの直後から、わずかではありますが、長期金利(10年もの国債の利回り)を上昇させています。
資金吸い上げの、実際の発動の前に、市場金利は動きました。
(注)長期金利1.5%レベルから1.8%レベルへ上昇(3月末)
【25兆円の資金吸い上げ】
現在の日銀当座預金(銀行の、日銀への預け金)の30兆円レベルを、06年7月ころまでに、法定準備金である6兆円に減らすこと、言い換えれば、25兆円のマーケット資金の引き締めを行うというのが、「量的緩和の解除」です。
06年4月は、日銀約10兆円相当の資金吸い上げを行うことが想定されています。これが5月、6月と続くでしょう。
【金利の上昇】
吸い上げの方法は、日銀が持つ手形(=金融機関への貸し出しに相当:45兆円)と国債(国家への貸し出しに相当:93兆円)の、売りです。
これを行えば、当然、金利は上昇します。
(注)日銀からの、手形による貸し出しも、その担保は金融機関が差し出す国債です。従って日銀の実質的な国債の持ち分は、45兆円+93兆円=138兆円と見ていいでしょう。この資産に見合っているのが、現在の日銀の資金供給量です。
量的緩和の解除で、深刻な影響を受けるのは、 ・民間部門より、 ・1000兆円の負債を抱える政府部門です。
国債の引き手だった日銀が、一転し、国債の売り手に転じることになるからです。
【財務省】
財務省は、「日銀は一体何を考えているのか」と発言しています。1000兆円の負債があれば、たった1%の金利上昇でも、年間10兆円の金利払いの増加になるからです。
長期金利が2~3%も上がれば、予算は組めなくなります。
まず、日銀の資金供給の方法を見ます。前稿で示した、日銀の貸借対照表を使います。これでみれば、資金供給と吸い上げの仕組みが分かるからです。
金融の潮流が変わった!量的規制緩和解除は何をもたらすか(1)
【目次】
1. 日銀による資金調節の方法
2. 日本の株価の上昇
3. 世界の株価も大きく上昇
4. 膨らみすぎた世界の金融資産と金融負債
5. 意識の「茹(ゆ)で蛙」現象
6. 債券バブルの時代
この連載のバックナンバー
- 金融の潮流が変わった!量的規制緩和解除は何をもたらすか(2) (2006/04/07)
- 金融の潮流が変わった!量的規制緩和解除は何をもたらすか(1) (2006/03/17)

