ライブドアのビジネスモデルとは何だったのか

第1回
ライブドアのビジネスモデルとは何だったのか(1)
~1兆円の時価総額はなぜ可能になったか~

経営コンサルタント 吉田 繁治氏
2006年2月2日

 耐震偽装では生活の安全が、そしてライブドアの会計偽装では株価が揺れています。いずれも、経済取引でもっとも重要な基盤である「信用」を裏切る詐欺行為です。

 本稿の目的は、ライブドア事件を素材に、およそ80年代の米国発の「株価資本主義」の淵源と、利益の乗数が株価の時価総額になるメカニズム、そしてその展開を、明らかにすることです。なぜ、ライブドアが市場の熱の頂点では、1兆円の時価総額にもなりえたかを明らかにします。

<ライブドアのビジネスモデルとは何だったのか(1)>

【目次】
1. 耐震偽装が明らかにしたこと
2. 偽計取引と粉飾会計
3. 本シリーズを書く目的
4. 株券はマネー
5. マネーの創造
6. 制度改革
7. ビジネスモデル
(次回へ続く)

1.耐震偽装が明らかにしたこと

▼1050万軒

 国土交通省の推計では、現在の基準に照らすと、耐震性に不備がある住宅は1050万軒(25%)と発表されています。(既存不適格の住宅を含めたものです。これは、控えめな数字でしょうね。)

 住宅以外の学校・店舗・商業ビル・オフィスビル等の特定建物でも、9万棟(25%)が耐震性を満たしていないと国交省は言います。(日経新聞06.01.26)

 日本の住まいの4軒に1軒、住宅以外の建物も4棟に1棟が、耐震性に問題があります。一方で、日本列島は、地震の活性期です。耐震問題は、国民の生活全体に係わります。

 11月に発覚して以降、新築と中古マンションや住宅では、契約のキャンセルが起こり、販売数は急に減少しているようです。

 新築住宅の着工は、年間で18兆円(130万戸:05年)です。

 05年12月のマンションの契約率(業者発表の政府集計)では、明確な低下は見えませんが、今は予断を許しません。

 大手ディベロッパーに、同様の偽装販売が波及すれば、事態は一挙に深刻です。

▼確認検査機関

 耐震偽装では「公と民の確認検査機関」が機能を果たしていなかったことが本質です。制度を悪用した人だけを摘発し(一罰百戒という検察手法)、右代表になる特定の人に罪をかぶせれば終わる問題ではない。

 確認検査は、妙な言葉です。事実上の「建築許可」であるにもかかわらず、「当方は確認し、検査するだけである。許可には近いが、許可とは言わない。」という官僚的な責任回避があります。

▼結論

 行政の不作為の罪を含んだ、法と制度の不備です。住宅、国防、食の安全は、国家の基本政策であるべきことですが、いずれもないがしろにされていたということの一端が、露呈しています。

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