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第6回
「成果」をあげる意思決定には方法がある
経営コンサルタント 吉田 繁治氏
2006年1月27日
ビジネスマンの間で人気を誇るメールマガジン『ビジネス知識源』では、良質な経営・IT・ビジネス・経済知識の提供を目標に、様々な情報発信をしています。著者の吉田繁治氏の諒解を得て、吉田氏のドラッカーに関する論考の部分を短期集中連載します。
「経営学の父」と呼ばれ、世界の巨大企業経営者に大きな影響を与えてきたドラッカー教授が2005年11月11日、老衰のために死去されました。享年95歳。十分に生き、十二分に書き、多くを語った人です。
経営コンサルタントの吉田氏のもとには、彼が死んでも、開けば対話ができる本が何冊か残されています。吉田氏はドラッカー教授の著書を難所を迎えるたびに切実に読んで来ました。
このシリーズでは、経営者ばかりでなく、若い日本の世代に参考になりそうな話題を取り上げて、吉田氏とドラッカーとの対話の足跡を「仕事ができる人の習慣」と題し、紹介したいと思います。
6回にわたってお送りした<仕事ができる人の習慣>シリーズの完結編をお届けします。
テーマは、有効な意思決定の方法です。何かの決定に悩んでいる人は、本稿を参考にしてください。経営者だけではない。すべての人の、意思決定の際に役にたつはずです。
意思決定は、エグゼクティブの任務(ミッション)のうち、もっとも重要なものです。時間を使えば、有効な意思決定ができるというわけではない。能率的な仕事の方法はある。しかし効率的な意思決定の方法はない。
そもそも、意思決定において「方法」といえるものがあるのか? ドラッカーの面白さは、こういったところにまで、解答を探そうと試みることです。
その解答を[1.姿勢]→[2.方法]→[3.実行]→[4.成果]にまとめ、公式にして言えば、以下のようになります。
【原則1.姿勢】
<個々の問題としてではなく、戦略的に、一般論的な問題として考えなければならない。>
問題は個別に現れます。しかし原因には共通性があることが多い。共通な原因を見つけ、解決策を決めることを、ドラッカーは「戦略的(strategic)」な意思決定と呼んでいます。
有効な意思決定は、起こった問題への対処ではなく、共通原因への対策です。
(注)システマティックな対策と言うこともできます。システムとは、問題解決という目的をもった仕組みです。
【原則2.方法】
<一般原則に基づいて(戦略的に)意思決定を行うべきものと、個々の異なる事情に基づいて(個別に)意思決定すべきものを分けなければならない。>
個別に対処すべき「特殊問題」と、体系的でシステマッティクな解決法をとるべき「一般問題」の仕分けです。問題の解析力がここで試されます。
一般(general)とは、共通性があって、他の多くのことに通じるという意味です。特殊とは、個別的・例外的なことです。何が特殊で、何が一般的かということの判断は、知識によるしかありません。
【原則3.実行】
<意思決定のプロセスにおいてもっとも時間をとるのは、意思決定そのものではなく、意思決定の実行である。意思決定は、(現場の)仕事のレベルに下ろさないかぎり、意思決定とは言えず、「よき意図(またはアイデア)」に過ぎない。>
意思決定は、現場での実行(Plan-Do-Checkのマネジメント)にまで、コミット(関与)しなければならないということです。
決定だけでは、実行されない。実行されても、意思決定者の意図とは、異なることになる。
【原則4.成果】
<成果をあげる意思決定には、概念的で高度な理解が必要である。しかし実行のための行動は、可能なかぎり単純なものでなくてはならない。現場が、実行できなければならない。>
現場の仕事は、普通の人が実行できるように、単純にして手順化を図らねばならない。
本稿は、以上でまとめた意思決定における[1.姿勢]→[2.方法]→[3.実行]→[4.成果]について述べます。
<完結編:仕事ができる人の習慣>
「成果」をあげる意思決定には方法がある
【目次】
1. 一般的な問題か、個別の対処で済むことか?
2. 個別問題は一般問題である
3. ハインリッヒの法則:再掲
4. 意思決定が有効である前提条件を明確にすること
5. 成果をあげる意思決定
6. 決定の場面では意見の不一致が必要である3つの理由
7. 葛藤を乗り越える
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