郵政民営化解散の本質を問う!

1.新しい選挙

 郵政民営化解散では、60%が選挙に行かない20代・30代が関心をもっています。これが新しい。選挙結果も動かすでしょう。

 「いつも結果は同じ」から、「今度は変わるかもしれない」という期待を抱かせます。しかし、何が変わるのか・・・。郵政改革は、金融市場と金利に大きな影響がある郵貯・簡保の民営化を除けば、小さな問題です。

(次稿では、予想しにくい選挙結果の無謀な予測も試みます。)

▼世代間所得移転が公的年金と社会福祉

 20代・30代は自分たちの世代に「高齢社会」の負担が回ってくると感じています。50代以上は、世代が高いほど自分が納めた税・医療保険・年金より、多くを受け取ります。

 現行制度は高齢者に既得権益がある。年金・医療を含む社会福祉の損得の分岐点は、およそ40歳です。40歳未満は、今の、年金・福祉は「割りに合わない」30代以下の人たちが納めた分を、40代、50代、特に60代で超過受け取りする構造をもっています。

 今後、制度として維持できないことが明白です。

(注)現行の年金が続いたとしての試算です。年金給付が下がり、徴収額が増えれば、おそらく70代以上以外は、損になります。

 自分の世代の損得に、関心が行きますね。50代以上にとって国家はありがたい。30代以下にとっては、生活水準を低める迷惑な存在です。

 中堅上場企業での講演。前に40歳代以上の管理職が座っていました。後ろは20代・30代と女性パートでした。

 「後に座ってるいる人たちは、会社、国、政治を信用していないでしょう?」と問うと、この講師、一体何を言い出すのかと皆が顔を上げました。

 多くの会社で30年後の退職金は当てにならない。会社があるかどうかもわからない。30年後の厚生年金にどんな価値がある? 税金は上がる。医療費負担も介護負担も上がる。30年後の生命保険はおそらくインフレで無価値。

 こうした問いかけに対し、まともに「そうではない」と論述できる人は、いないでしょうね。20代にとっては40年後、30代にとっては30年後の退職金・年金です。30年後の契約は契約ではない。名目金額は守れても、実質額(医万円の購買力)は守れないからです。文言だけが踊る無意味なものです。なぜそうなったか? 国債の大量発行のためです。

 増え続ける国債は、将来世代の負担です。増税と財政緊縮ができないと、いずれインフレです。インフレでは金融資産の価値(購買力)が減り、金融資産を持つ人(過半の金融資産は現在の60歳代以上)の負担です。このいずれかです。

 日本は、どの国よりも貯蓄率の高い国だった。郵貯・簡保・銀行預金・生保は、高い率で増えていた。

個人所得=消費+税+社会福祉費+貯蓄です。

 世帯の預金の約半分は、気軽で保証があり、定額預金の金利も高かった郵貯に流れたのです。国が、財政資金の確保の目的で、有利な金利をつけていたからです。

2.世帯の貯蓄を使い、国自体も350兆円の債務超過

 家計の貯蓄を80年代までは企業が借り、設備投資に使いました。消費の伸び率の低下で、次第に設備投資の利益効果が薄れてきます。そして最後は、金融緩和で無用な土地を買いバブルを起こしました。

 90年代は、企業の設備投資が急減します。しかし貯蓄率は高かった。世帯の貯蓄は政府が10年間で400兆円の公共投資で使い、赤字予算で使い切りました。世帯の貯蓄は、不況の90年代でも太り続けていたからです。(短い寿命の蝉のように・・・)

 公債(国債+地方債)残は、700兆円を超えた。これに郵貯・簡保を使った財投の借金も加わります。政府部門の借金残(負債)は約1067兆円です。国家は、03年で252兆円の債務超過です。

 債務超過を普通は倒産と言います。しかし国家には倒産がない。従って、国民のマネーを食い続けます。

<参考リンク>
「国の貸借対照表 平成14年度版のポイント」
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/bs/bs1609c.pdf

 国家の債務超過は、1年で40兆円は増えます。今、350兆円くらいの債務超過でしょう。表を見て下さい。左側が国有資産で、右側は、国民からの借金です。借金-資産の252兆円が債務超過です。

(注1)将来、支払うべき年金債務を含めば、財務超過は1000兆円を超えるという試算もあります。(財務省)
(注2)年金の現行制度は維持できないことは明白です。そうすると、前記【現行制度を続けたときの、各世代の生涯負担と受益額】は、高齢者を含む全世代にとって、もっと不利になります。

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