郵政民営化解散の本質を問う!

第2回
10年遅すぎた郵貯・簡保の民営化

経営コンサルタント 吉田 繁治氏
2005年9月7日

 ビジネスマンの間で人気を誇るメールマガジン『ビジネス知識源』では、良質な経営・IT・ビジネス・経済知識の提供を目標に、様々な情報発信をしている。著者の吉田繁治氏の諒解を得て、郵政民営化解散に関する論考の部分を短期集中連載する。 

▼本稿の目的

 郵政民営化解散では、お伝えしておかねばならない国債市場(年5000兆円の売買規模)についての解釈とメッセージがあります。

 国債は、機関投資家(金融機関やファンド)によって平均手もち期間36日で激しく売買されています。静かに持たれているのではない。それだけ不安定で、急に変わる。

 わが国金融市場で突出しているのが、国債マーケットです。株式市場は、年間売買額が400兆円~500兆円に過ぎず小さい。平均手持ち期間は300日で、高速売買の国債市場と異なって安定しています。高速で売買され、金利を変化させる国債市場を無視し、郵貯・簡保の100%民営化は論じることも、実行することもできません。

 与党の民営化論、民主の郵貯の上限制限は、国債市場の需給を無視しています。郵貯・簡保は安定した持ち手であり、国債価格は、郵貯簡保が支えたと言っていいのです。郵貯・簡保が売ることを表明すれば? 国債価格のリスク恐怖症にかかっている金融市場は、損失を恐れ、われ先に投売りするでしょう。前回の論考と併せれば、理解が深まると思います。

 いつまで経っても深まらない政治家、評論家、マスコミの論で欠けている重要点を補います。

【今回の目次】

1.新しい選挙
2.世帯の貯蓄を使い、国自体も350兆円の債務超過
3.分水嶺は2000年だった
4.10年は遅すぎたマニフェスト
5.増えなくなった世帯の金融資産
6.郵政民営化の中の焦点は、郵貯・簡保の民営化
7.遅すぎた郵貯・簡保の民営化

衆院選挙:小泉首相と岡田代表
(写真提供:時事通信。なお同写真およびキャプションについて、時事通信の承諾なしに複製、改変、翻訳、転載、蓄積、頒布、販売、出版、放送、送信などを行うこと は禁じられています)

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