「これが空き巣ねっ!」――神奈川県東部の戸建て住宅を借りて住む吉野さん(仮名)は、1階和室の掃き出し窓の一部がクレセント錠周辺で割られているのを見て、直感した。窓はきちんと閉まっていたものの、錠はもちろん開いたまま。家に帰ってから1時間も経つというのに、出入りの少ない部屋だったこともあって、ようやく気付いた。
その日は、2週に1度の習い事に出かける日だった。家を出たのは朝9時半ごろ。帰りに実家に寄ったので、家に着いたのは昼2時くらい。掃き出し窓はクレセント錠で閉めていたが、内側の障子はいつもと違って片方開けたまま。家の外から室内の様子を伺い知れる状態だった。
泥棒は、雨の日に、この掃き出し窓のガラスを割ってクレセント錠を解除して侵入した。雨の日はガラスを割る音が聞こえにくい。
警察や夫に連絡を取るかたわら、なにを盗られたのか、吉野さんはすぐ確かめた。カードの類はある。預金通帳も、被害には遭ってない。駆け付けた警察官から、「室内に足跡が残っていないので、ガラス破りの犯人は侵入していないのかもしれません」と聞かされた。被害はないようだし、吉野さんは警察官の言葉を聞いて、すっかり安心した。
なるほど、和室に面する小さな庭の地面にはガラス破りの犯人のものと思われる足跡が残されていたが、室内はきれいなままだった。同じ1階のリビングやダイニングに置いてある収納には、引き出しを物色したような形跡は少しも見られなかった。家の中はいつもと変わりないように見えた。
犯人が侵入した掃き出し窓では、庭が道路から死角になっている。







