盗んだ品を投げ捨てて逃げた泥棒

編集協力/セコム IS研究所 甘利 康文氏

文/茂木 俊輔、写真/中野 和志
2009年3月23日

 高層マンションの13階。今回診断に訪れた上原さん(仮名)のお宅で一昨年、“捕り物騒動”があった。当時の様子を上原さんの話をもとに再現しよう。

 平日の夜7時過ぎ。上原さんはいったん帰宅したものの、間もなく外出した。その後、帰宅したのは上原さんの夫だった。玄関ドアの取っ手に手をやると、錠はなぜか開いている。妻が外出中というのは分かっていた。「泥棒か?」。そういえば、13階でエレベーターを降りた時、脇の階段を駆け下りていく足音が聞こえた。「あれが泥棒だっ!」―― 上原さんの夫は直感し、エレベーターに戻って、すぐに後を追った。

 1階に着きエレベーターを降りると、逃げようとする泥棒がすぐそこにいた。相手は二人。「ドロボーッ!」と声を上げながら後を追う。途中、泥棒たちは、盗んだデジタルカメラなどが入ったバッグを道路上に投げ捨てた。追っ手の気をそちらに向けるためだろう。そしてさらに逃げる。結局、上原さんの夫は振り切られてしまった。

イメージ図

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 盗品のうち、デジタルカメラとバッグは戻った。持ち去られたのは、クレジットカード数枚。だがこちらも、通報で駆け付けた警察官がクレジット会社の連絡先を教えてくれたので、すぐに電話して利用できないよう措置を取った。結局、被害額はゼロで済んだ。とはいえ、「実質被害はなかったにしても、やはりいい気持ちはしません」(上原さん)。

 この犯人グループは後に、別の場所で捕まった。そこで分かったのは、彼らが外国人のグループだったこと。たまたま上原さんの夫は何の危害も加えられなかったが、犯人グループの素性や人数を考えると、追いかけるつもりが、逆に反撃されてしまうこともあり得る。追跡劇はかなり危険な行動だったのだ。

 追跡劇のあらましは以上だが、では、犯人グループはどのような手口で上原さんのお宅に侵入したのだろうか。上原さん宅の弱点を探ってみよう。

 

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